Microsoft Clarityは、ユーザー行動を可視化する無料ツールとして人気があります。特にWeb広告やGA4と組み合わせて使うと「コンバージョン(CV)に至った人」と「至らなかった人」の行動比較ができ、改善施策に直結します。
本記事では、Googleタグマネージャー(GTM)を使ってClarityにCV情報を送信し、セグメントを作る方法を解説します。さらに、「お問い合わせ完了」「会員登録完了」など複数種類のCVをどう区別するかについても整理します。
目次
ステップ1:GTMでCVイベントを定義する
まず、CV(コンバージョン)のタイミングをGTMで捕捉します。例として「サンクスページ到達」「フォーム送信完了」などが典型的です。
実装例(カスタムHTMLタグ)
<!-- お問い合わせ完了時 -->
<script>
clarity("set", "cv_type", "inquiry");
</script>
<!-- 会員登録完了時 -->
<script>
clarity("set", "cv_type", "signup");
</script>
ここでは cv_type
というキーを使い、値を「inquiry」「signup」などで分けています。
ステップ2:Clarityでセグメントを作成する
Clarity管理画面の「Segments」から、新しいセグメントを作成します。
cv_type = inquiry
→ 「お問い合わせ完了ユーザー」cv_type = signup
→ 「会員登録完了ユーザー」cv_type が未設定
→ 「未CVユーザー」
このようにすれば、種類ごとにユーザー行動を比較可能です。
複数方式の比較
方式①:cv_type
で種類をまとめる
- メリット:シンプルで管理しやすい
- デメリット:1ユーザーが複数種類のCVをした場合、最後に上書きされた値しか残らない
方式②:フラグ方式(複数キーで管理)
clarity("set", "cv_inquiry", "true");
clarity("set", "cv_signup", "true");
メリット:問い合わせ+会員登録など、複数CVを組み合わせて分析可能
デメリット:実装・管理がやや複雑
正規表現は使える?
残念ながら、Clarityのセグメント条件では正規表現は未対応です。
利用できるのは以下の条件だけ
- equals / not equals
- contains / does not contain
- starts with / ends with
そのため、cv_type
方式を採用する場合は種類ごとにセグメントを作り分ける必要があります。
まとめ
- GTMでCV完了時にClarityへカスタムデータを送信することで、CV有無や種類を記録できる
- cv_type方式(1キーで管理) → シンプルだが上書きされる
- フラグ方式(複数キーで管理) → 複数CVの組み合わせ分析が可能
- Clarityのセグメントは正規表現未対応のため、条件分けは「equals」「contains」などで行う
「種類ごとの比較だけで良い」なら方式①、「複数CVを跨いだ行動も見たい」なら方式②がおすすめです。
記事が参考になりましたら幸いです。
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