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京都でリスティング広告を始める前の設計手順|観光客と地元客を分けるエリア・キーワード配分

京都でリスティング広告を始める前に決めるべき設計手順を5ステップで解説。「京都市全体に配信」が失敗しやすい理由、観光客と地元客を分ける地域設定「所在地・関心」の使い分け、キーワードの4象限配分、繁閑差を織り込んだ予算設計、出稿前チェックリストまで、自社で設計を完了できる実務ガイドです。

京都でリスティング広告を始める前の設計手順|観光客と地元客を分けるエリア・キーワード配分

この記事のポイント

  • 出稿前に客層定義→エリア→キーワード→予算→計測の順で設計すれば観光客混在による予算ロスを防げる
  • 「京都市全体に配信」は意図の異なる客層を同じ入札・広告文で扱うため失敗しやすい設定だと言える
  • 地域設定は「所在地」限定が原則だが、旅行・宿泊・体験系の業種は「所在地または関心」を残す判断が有効
  • キーワードは「地名あり/なし×観光クエリ/生活クエリ」の4象限に分類し、象限ごとに予算配分を変える
  • 出稿直前はコンバージョン計測・LPの受け皿・Googleビジネスプロフィール連携までを12項目で確認する

「とりあえず京都市全体に配信して様子を見る」——多くの事業者がリスティング広告を始めるとき、最初にこの設定を選びます。しかしその瞬間、観光で訪れた旅行者と、毎日その地域で暮らす地元客という、検索の背景がまったく違う2つの客層が同じキャンペーン、同じ入札、同じ広告文の中で競り合う状態が生まれます。

京都でリスティング広告を始める前に決めるべきことは、客層定義→エリア設計→キーワード配分→予算配分→計測整備という5つの設計ステップに集約されます。この記事では、それぞれのステップで何を、どの画面で、どう判断すればよいかを順に示します。読み終える頃には、代理店に依頼するにせよ自社で運用するにせよ、出稿前の設計を自分の言葉でチェックできる状態になっているはずです。

深夜、広告設定画面を前に固まる店主

京都でリスティング広告を始める前に何を決めればいい?結論は5つの設計ステップ

出稿前に踏む5つの設計ステップ 図1: 出稿前に踏む5つの設計ステップ

京都でリスティング広告を始める前に決めるべきは、客層定義・エリア設計・キーワード配分・予算配分・計測整備の5ステップです。この順序を守ることが、観光客と地元客の混在による予算ロスを防ぐ最短経路になります。

設計5ステップの全体マップ

流れとしては、まず自社の商売が観光型・地元型・両取り型のどれに当たるかを判定し、そのうえで配信エリアを決め、キーワードを4象限に振り分け、季節変動を織り込んだ予算を組み、最後にコンバージョン計測とLPの受け皿を整える、という順になります。どこか1ステップを飛ばすと、後工程で必ず設計の手戻りが発生します。特にエリアとキーワードの順序を逆にする、つまりキーワードを先に決めてからエリアを絞ろうとすると、地名なしキーワードの扱いが宙に浮きやすくなるため注意が必要です。

出稿前設計に時間を使うべき理由(予算の約25%が設計ミスで消える)

Search Engine Landが報じたWordStreamによる中小企業500社の広告アカウント分析では、設計・管理上のミスによって検索広告予算の約25%が無駄になっているという結果が示されています。この調査が示唆するのは、無駄の主因が出稿後の運用改善不足ではなく、出稿前の設計不備にあるという点です。日本の京都という商圏に置き換えても、観光客と地元客が混在したまま配信を始めれば、同じ構造の無駄が起きやすいと考えるのが自然でしょう。

なぜ京都では「京都市全体に配信」が失敗しやすいのか

同じ広告を見る観光客と地元客のすれ違い 同じ広告を見る観光客と地元客のすれ違い

「京都市全体に配信」という設定は、観光客・旅マエ層・地元客という意図の異なる検索者を同じ広告文・同じ入札で扱ってしまうため、失敗しやすい設定だと言えます。この失敗は設定ミスというより、商圏構造を分解しないまま配信を始めることの必然的な結果です。

同じ検索語でも観光客と地元客で意図が違う

たとえば「京都 ランチ」という検索語一つとっても、観光で訪れている人は「観光ルート上で入れる、雰囲気のいい店」を探している一方、地元で働く人は「職場から歩いて行ける、早く出てくる店」を探しています。求めている情報も、決め手になる広告文の訴求も別物です。これを一つの広告グループで受けてしまうと、どちらの意図にも中途半端にしか刺さらない広告文になりがちです。

混在配信が起こす3つの予算ロス

混在配信が起こす予算ロスは主に3種類あります。1つ目はクリック率の低下、2つ目はコンバージョン率の低下、3つ目は機械学習による入札最適化の遅延です。SCUBE Marketingの記事では、都市全体への一括配信は空港や観光エリアからの流入と住宅街からの生活検索を同じ入札・同じ広告文で扱ってしまう問題として指摘されています。米国のようなZIPコード単位の入札は日本の管理画面には存在しませんが、市区町村や半径指定を使えば同様の分割は再現できます。

自分の商売はどの客層型か:観光型・地元型・両取り型の判定

タイプ特徴代表的な業種
観光型来店動機の大半が観光行程に含まれる着物レンタル、体験工房、土産物店
地元型来店動機が生活圏内の日常ニーズ歯科、美容室、学習塾、工務店
両取り型客層が観光客と地元客に分かれて存在飲食店、宿泊業、雑貨店

自社がどこに当たるかによって、この後の全ステップの設計方針が変わります。

ステップ1:観光客向けと地元客向けでキャンペーンを分けるやり方

Google広告の地域設定は「所在地」と「所在地または関心」の2つから選べ、地元型ビジネスは原則として「所在地」に限定するのが定石です。デフォルトのままだと、京都に関心を示しただけの遠方ユーザーにも広告が配信されてしまいます。

地域設定「所在地」と「所在地または関心」の違い

「所在地」は文字通りその地域に実際にいる、または定期的にいるユーザーだけに配信を絞る設定です。「所在地または関心」は、それに加えてその地域を検索したり閲覧したりしているユーザーも含めます。PPC専門ブログのArshinkovが指摘するとおり、このデフォルト設定を放置すると商圏外への配信漏れが起きやすく、ローカルビジネスは基本的に「所在地」へ切り替えるべきだとされています。

旅行系業種は「関心」を残す:海外データが示す使い分けの正解

一方で、同じArshinkovの記事ではGoogleが公表したデータとして、旅行・不動産・教育の業種では「所在地または関心」への切り替えによって検索コンバージョンが約5%増加したと報告されています。地元型と観光型で正解が真逆になるということです。京都は観光業と地元向け業種が同じ地域に共存しているため、この使い分けをキャンペーン単位で分けて設計する必要があります。

旅マエ層だけを狙う関心限定キャンペーンという選択肢

さらに踏み込んだ設計として、Eight Oh Twoが紹介する「関心限定ターゲティング」があります。これは京都に現在いない、しかし訪問を計画している旅マエ層だけを別キャンペーンで狙う考え方です。実務では、主要な発地となる都市や国を地域設定に加え、京都エリアの「所在地」ベースの配信は別キャンペーンとして切り分けることで、旅マエ層と現地在住者を混同しない設計に近づけられます。地域設定の詳細な切り分け手順や、「京都市」設定なのに府外からクリックされる原因と対処は別記事で扱っているので、つまずいた際に参照してください。

ステップ2:配信エリアの決め方|商圏タイプ別の設計手順

地元型と観光型で異なるエリア設計の考え方 図2: 地元型と観光型で異なるエリア設計の考え方

配信エリアの設計方法は商圏タイプによって異なり、地元型は半径・市区で絞り、観光型は発地ターゲティングで組み立てるのが基本です。同じ「京都」でも、狙うべき地理的範囲は業種ごとにまったく違います。

地元型:店舗半径と生活圏で絞る

地元型ビジネスは、店舗を中心に3〜5km程度の半径、または実際の生活圏に合わせた区・学区単位での設定が現実的です。京都市内は区によって観光地との近接度が大きく異なるため、隣接区まで含めるかどうかは実際の来店データや商圏調査を踏まえて判断します。

観光型:発地(居住地)ターゲティングの考え方

観光型は京都という「行き先」ではなく、観光客の「発地」を意識した設計が有効です。国内なら東京・大阪・名古屋といった主要都市、インバウンド需要を見込む業種なら訪日需要の高い国・地域を地域設定に加えることで、旅マエ層に届くキャンペーンを組めます。

エリア除外の設計と確認手順

エリアを広げるだけでなく、除外設定も並行して行う必要があります。Google広告の「地域レポート」から実際にクリックが発生している地域を定期的に確認し、明らかに商圏と無関係な地域が含まれていれば除外リストに追加します。この確認は出稿直後だけでなく継続的に行うべき作業で、配信開始後の地域ターゲティング精緻化の手順で詳しく解説しています。

ステップ3:キーワード配分の決め方|「地名あり/なし×観光/生活」の4象限

キーワードを見極める4象限マトリクス 図3: キーワードを見極める4象限マトリクス

キーワードは「地名あり/なし」と「観光クエリ/生活クエリ」という2軸で4象限に分類すると、どこにどれだけ予算を配分すべきかが判断しやすくなります。

4象限マップの作り方

象限想定される検索者
地名あり×観光京都 着物レンタル観光客・旅マエ層
地名あり×生活京都市〇〇区 歯医者地元客
地名なし×観光着物レンタル 予約検討中の観光客
地名なし×生活歯医者 夜間診療近隣在住者

まずこの表に自社のキーワード候補を当てはめ、どの象限が最も来店・成約に結びつきやすいかを事業実感ベースで仮置きすることから始めます。

「京都+業種」キーワードは誰が検索しているか

「京都+業種名」のキーワードは、観光客と地元客の両方が検索し得るため最も判断が難しい象限です。検索結果画面に自社の広告が出た際、観光客向けの訴求と地元客向けの訴求のどちらが刺さるかは、広告文をA/Bで出し分けて反応を見るほかありません。両取り型の業種であれば、この象限だけは客層別に広告グループを分けず、共通の広告文で様子を見るという判断もあり得ます。

インテントマッチ解放と除外キーワードの初期セット

Google広告の部分一致(インテントマッチ)は、指定したキーワードに近い意図の検索語にも自動で広告を表示する仕組みです。カバー範囲が広がる一方で、京都では「無料」「求人」「中古」「バイト」といった無関係な語句を含む検索にも配信されやすくなります。出稿前の初期除外キーワードとして、こうした語句をあらかじめ登録しておくことが実務上の防御線になります。除外キーワードの設計をさらに詳しく詰めたい場合は、除外キーワードの設計実務を参照してください。

ステップ4:予算配分の決め方|季節変動と客層比率から逆算する

京都の広告予算は、桜・紅葉期の繁忙期と閑散期の差、そして観光客と地元客の比率から逆算して月別に配分するのが実務的なやり方です。年間を通じて均等に予算を配分すると、繁忙期に機会損失が生じやすくなります。

繁忙期・閑散期を織り込んだ月別配分の考え方

一般に3〜4月と10〜11月は観光需要が高まる時期とされ、観光型・両取り型のキャンペーンはこの時期に予算比率を厚めに設定するのが定石です。逆に地元型キャンペーンは季節変動が比較的小さいため、月ごとの配分差を小さく保つ方が安定します。

観光客キャンペーンと地元客キャンペーンの初期比率の決め方

初期比率は、ステップ2で判定した客層型がそのまま出発点になります。観光型なら観光客キャンペーンに厚く、地元型なら地元客キャンペーンに厚く、両取り型なら実店舗の実感値をもとに6:4や5:5といった仮の比率から始め、コンバージョンデータが溜まり次第調整していく流れが現実的です。

最低予算ラインと撤退・見直し基準

一般的な相場観として、リスティング広告は月5万円程度から始められると言われています。ただし客層を分割してキャンペーンを2つ以上に分ける場合、1キャンペーンあたりの学習に必要な最低限のクリック・コンバージョン数が確保しにくくなる点には注意が必要です。数週間データを回しても学習が進まない場合は、キャンペーン統合や配信エリアの見直しを検討する基準としてよいでしょう。立ち上げ期の入札設計についてはCVデータゼロから始める入札戦略の90日設計で扱っています。

ステップ5:出稿前チェックリスト|計測・LP・ビジネスプロフィールの準備

出稿ボタン前で最終確認する担当者 出稿ボタン前で最終確認する担当者

出稿直前に整えるべきなのは、コンバージョン計測・LPの受け皿・Googleビジネスプロフィール連携の3点です。ここが欠けたまま配信を始めると、広告費だけが先に減っていく結果になります。

コンバージョン計測の最低要件

最低限、問い合わせフォーム送信の計測タグ設置と、電話番号クリックまたは通話計測の2つは出稿前に整えておく必要があります。Google広告だけでなくYahoo!広告(LINEヤフー広告)を併用する場合は、媒体ごとに計測タグを別途設定する必要がある点も見落としやすいポイントです。

観光客向け・地元客向けでLPの受け皿を変えるか

両取り型の業種であれば、遷移先のLPを客層別に分けるかどうかも設計事項です。観光客向けには写真や体験イメージを中心にした構成、地元客向けには営業時間・アクセス・予約導線を前面に出した構成が向いていると言われます。予算やリソースが限られる段階では、LPは共通のまま広告文とキーワードだけを分ける、という段階的なやり方でも構いません。

出稿前チェックリスト12項目

  • 客層型(観光型・地元型・両取り型)を判定した
  • 地域設定を「所在地」か「所在地または関心」か業種別に決めた
  • 配信エリアの半径・市区・除外設定を設計した
  • キーワードを4象限に分類した
  • 初期除外キーワードを登録した
  • 部分一致(インテントマッチ)の適用範囲を決めた
  • 月別の予算配分を繁閑差込みで組んだ
  • 観光客/地元客キャンペーンの初期比率を決めた
  • コンバージョン計測タグを設置した
  • 電話計測の要否を判断した
  • LPの受け皿を客層別に分けるか決めた
  • Googleビジネスプロフィールの情報を最新化した

自社の業種特性をさらに反映させたい場合は、京都の業種別Google広告戦略も合わせて確認しておくとよいでしょう。

よくある質問

Q:京都でリスティング広告を出すと費用はいくらから始められますか? 一般的な相場観として、月5万円程度から始められると言われています。ただし観光客向けと地元客向けでキャンペーンを分割する場合は、それぞれのキャンペーンが学習に必要な最低限のクリック数を確保できるだけの予算が必要になるため、分割する前提であれば月10万円前後を現実的な最低ラインとして見込んでおくのが無難です。

Q:リスティング広告は代理店に頼まず自分で運用できますか? 本記事で示した客層定義→エリア→キーワード→予算→計測という設計手順を自社で固められるのであれば、自社運用は十分可能です。一方で、複数キャンペーンの入札を同時に管理する時間が取れない場合や、地域設定と関心ターゲティングの使い分けの判断に迷う場合は、設計段階だけ代理店に相談し、運用は自社で行うといった部分活用も選択肢になります。

Q:京都市に地域設定したのに府外や海外からクリックされるのはなぜですか? 最も多い原因は、地域設定が「所在地」ではなくデフォルトの「所在地または関心」のままになっていることです。この設定では、京都に関心を示しただけの遠方ユーザーにも配信されます。地元型の業種は「所在地」に切り替えるのが基本ですが、観光・宿泊・体験系の業種はあえて「関心」を残す判断もあり得ます。詳しい切り分け手順は「京都市」設定なのに府外からクリックされる原因と対処で解説しています。

Q:観光客向けと地元客向けでキャンペーンは必ず分けるべきですか? 観光客と地元客の両方を持つ両取り型の業種であれば、分割するのが推奨されます。ただし予算が小さくキャンペーンを2つに分けるだけの学習データが確保できない場合は、キャンペーンは統合したまま広告グループとキーワードだけを客層別に分けるという段階的なやり方から始めても構いません。

京都という商圏は、観光客と地元客という性質の異なる需要が同じ地理的範囲に重なっているぶん、出稿前の設計をどこまで詰められるかで結果が大きく変わります。真策堂では、こうした客層×エリア×キーワードの設計視点から出稿前の相談を受けています。自社で設計を進めてみて判断に迷う点が出てきた場合は、部分的な壁打ちとしてご相談いただくことも可能です。

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