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京都の店舗サイトはGA4で観光客と地元客を分けて見る|市区町村ディメンション×セグメント設計

京都の店舗サイトのGA4は観光客と地元客が混ざったままでは施策判断を誤ります。探索レポートの市区町村ディメンションで地元客・国内観光客・インバウンドの3セグメントを作る設定手順、IP推定による精度の限界と読み方、広告・MEOへの打ち分けまで実務手順で解説します。

京都の店舗サイトを運用していて、GA4のユーザー数やコンバージョン数を眺めながら「この数字、観光客が押し上げているのか地元客が定着しているのか分からない」と感じたことはないでしょうか。桜のシーズンだけアクセスが跳ねても、それが一見さんの観光客なのか、リピーターの地元客なのかが混ざったままでは、広告予算をどこに厚くすべきかも、MEO対策の文言をどう書くべきかも判断のしようがありません。

GA4を導入しただけで満足してしまい、全ユーザーを合算した数字だけを見ている店舗サイトは少なくないと言われます。結論から言うと、GA4の探索レポートで市区町村ディメンションを使い、地元客・国内観光客・インバウンドの3つの地域セグメントを作って比較すれば、この混同は解消できます。操作自体はそれほど難しくありません。むしろ設計で差がつくのは「どこからどこまでを地元客とみなすか」というセグメントの切り方と、市区町村データの精度をどう割り引いて読むかという2点です。この記事では、その設計思想から実際の条件式、そして分けた後の広告・MEOへの活かし方まで、今日から手を動かせる粒度で解説します。

この記事のポイント

  • GA4の探索レポートで市区町村ディメンションを使い、地元客・国内観光客・インバウンドの3セグメントを比較するのが基本形と言える
  • 市区町村データはIPアドレス推定に依存するため、単一の市区町村ではなく通勤圏や主要発地を束ねて条件を作るのが定石
  • 地元客は「京都市+通勤圏の近隣市区町村」、国内観光客は「京都府外の主要発地」、インバウンドは「国ディメンションが日本以外」で分けて定義する
  • セグメント別の行動差が見えたら、広告のエリア設定・MEOの訴求・LPの出し分けにそのまま接続できる

夜の町家、混ざった数字に頭を抱える店主

GA4で観光客と地元客を分けて見るにはどうすればいい?【結論】

GA4で観光客と地元客を分けて見るには、探索レポート(データ探索)で市区町村ディメンションと国ディメンションを条件にした地域セグメントを作り、比較機能で並べて見るのが最も再現性の高い方法です。標準レポートの合算数値だけを追っている限り、この分離はできません。

混ざった数字のままだと施策判断を誤る理由

観光客と地元客は、そもそもサイトに来る目的も、コンバージョンまでの距離も違います。観光客は「今日・今から行ける店」を探していることが多く、地元客は「以前から知っている店をもう一度調べる」動きが中心になりやすいと言われます。この2つを合算したまま平均コンバージョン率だけを見てしまうと、実際には観光客の直帰率の高さに地元客の高いCVRが埋もれて相殺され、サイト全体のパフォーマンスを誤って評価してしまうことがあります。広告の地域配信設定を見直すときも、MEOの投稿文を考えるときも、まず「誰が多いのか」を分けて把握しておかないと、的外れな施策に予算を投じるリスクが高まります。

この記事でできるようになること

この記事を最後まで実装すると、GA4上で3つの地域セグメントを保存し、ユーザー数・エンゲージメント率・コンバージョンをセグメント別に比較できる状態になります。あわせて、市区町村データの精度限界を踏まえた「読み方」も身につくため、細かすぎる粒度で断定して誤った意思決定をするリスクも避けられます。

GA4の市区町村ディメンションとは?どこで確認できる?

ローマ字の地名検索に手が止まるスタッフ ローマ字の地名検索に手が止まるスタッフ

GA4の市区町村ディメンションとは、ユーザーのIPアドレスから推定された訪問地域を市区町村単位で表示する項目のことです。標準レポートと探索レポートの両方で確認できますが、見え方も使い勝手もかなり異なります。

標準レポート(ユーザー属性の詳細)での見方

「レポート」→「ユーザー」→「ユーザー属性の詳細」を開くと、ディメンションを「市区町村」に切り替えることで、都道府県より細かい地域別のユーザー数・セッション数を確認できます。ただし標準レポートはセグメント同士の重ね合わせに弱く、地域と別の条件(例えば流入経路)を掛け合わせて見たい場合には向きません。全体感を素早くつかむための一次確認として使う程度にとどめておくのが実務的です。

探索レポートで市区町村を使う手順

セグメント設計の本番は探索レポートです。手順は次の通りです。

  1. 左メニューの「探索」から新しい空白の探索を作成する
  2. 「変数」パネルの「ディメンション」に「市区町村」と「国」を追加する
  3. 行に「市区町村」、値に「アクティブユーザー数」「セッション数」「コンバージョン数」などを設定する
  4. 「セグメントの比較」枠に、後述する地元客・国内観光客・インバウンドのセグメントを追加する

この形式表(自由形式の探索)を土台にすれば、あとはセグメントを差し替えるだけで観光客と地元客の行動差を継続的にモニタリングできます。

Kyoto・Ujiなど英語表記で検索するときの注意

GA4の地域データは仕様上、市区町村名が英語表記で表示されます。京都市は「Kyoto」、宇治市は「Uji」、大津市は「Otsu」、大阪市は「Osaka」というように、ローマ字表記でのみ検索・フィルタが可能です。日本語で「京都市」と入力しても該当する行は出てこないため、セグメント条件を作る際は英語表記のスペルを事前に確認しておく必要があります。

市区町村(日本語)GA4上の表記
京都市Kyoto
宇治市Uji
大津市(滋賀県)Otsu
向日市Muko
長岡京市Nagaokakyo
大阪市Osaka

観光客セグメントと地元客セグメントの作り方【設定手順】

3つの地域セグメントの条件を一枚で整理 図1: 3つの地域セグメントの条件を一枚で整理

観光客と地元客を分けるセグメントは、市区町村ディメンションを条件にした「地元客」、都道府県相当のRegionディメインションを条件にした「国内観光客」、国ディメンションを条件にした「インバウンド」の3つを別々に作るのが基本設計です。この3セグメントを比較機能に並べることで、初めて客層ごとの行動差が数値で見えてきます。

地元客セグメント:京都市+通勤圏の市区町村で括る

地元客セグメントは、条件を「国=Japan」かつ「市区町村が次のいずれかに一致:Kyoto、Uji、Otsu、Muko、Nagaokakyoなど」で作成します。京都市単体で括ってしまうと、日常的に京都市内の店舗を利用している近隣市区町村の住民を観光客側に誤って計上してしまうため、通勤圏を含めて広めに定義するのが実務上のバランスと言えます。どこまで含めるかは業種や商圏によって変わるので、来店エリアの実データやアンケートがあれば、それを踏まえて市区町村リストを調整するとよいでしょう。

国内観光客セグメント:京都府外の主要発地で定義する

国内観光客セグメントは「国=Japan」かつ「地域(Region)がKyoto以外」という条件で作ります。さらに東京・大阪・愛知など主要発地別の内訳を見たい場合は、Regionディメンションを行に追加して、国内観光客セグメントの中でどの地域からの流入が多いかを併せて確認すると、広告のエリア配分を考える材料になります。

インバウンドセグメント:国ディメンションで分ける

インバウンドセグメントは「国(Country)がJapan以外」という単純な条件で十分です。国レベルのデータはIP推定の中でも精度が高いとされているため、市区町村レベルの粒度で無理に細分化するより、国単位でまず全体量を把握してから、必要に応じて主要国別(台湾・韓国・アメリカなど)に分けていく方が誤読を避けられます。

比較機能で3セグメントの行動差を並べる

探索レポートの「セグメントの比較」枠に3セグメントをすべて追加すると、セグメント別のユーザー数・平均エンゲージメント時間・コンバージョン率が横並びで表示されます。次のような条件式の一覧を手元に置いておくと、セグメント作成時の迷いが減ります。

セグメント名条件式(要約)
地元客国=Japan/市区町村=Kyoto・Uji・Otsu等
国内観光客国=Japan/地域≠Kyoto
インバウンド国≠Japan

GA4の市区町村データはどこまで正確?精度の限界と読み方

地域データは粒度が細かいほど精度が下がる 図2: 地域データは粒度が細かいほど精度が下がる

GA4の市区町村データは、国レベルでは高精度とされる一方、市区町村レベルの粒度になるとIPアドレス推定に起因するズレが生じやすくなります。この点を理解しないままセグメントを断定的に読むと、実態とは異なる施策判断につながりかねません。

IPアドレス推定の仕組みとスマホ回線のズレ

GA4の地域データはユーザーのIPアドレスをもとに推定される仕組みです。海外メディアAnalytifyの解説記事では、モバイルキャリア回線やVPN、プライバシー保護のためにマスクされたIPアドレスを使うケースでは位置精度が落ちると指摘されています。日本市場に当てはめると、観光客のスマホ閲覧はまさにキャリア回線経由が大半を占めるため、観光客セグメントほど市区町村データが実際の滞在地とズレやすい構造的な弱点を持っていると考えるのが妥当です。

また海外の地域データ専門メディアAffect Groupの記事では、市区町村レベルのデータにデータセンター所在地(例としてバージニア州アッシュバーンが挙げられています)が誤って混入するケースがあると紹介されています。日本国内でも同様の混入が完全にゼロとは言い切れないため、「市区町村データは正確な現在地ではなく、あくまで診断のためのシグナルである」という前提を持って読むのが実務上安全です。

(not set)やしきい値でデータが欠ける理由

市区町村ディメンションで見ていると「(not set)」という行が一定数残ることがあります。これはIPアドレスから地域を特定できなかったケースに加え、Googleシグナルを有効化している場合はプライバシー保護のためのデータしきい値によって、少数ユーザーの行がまとめて非表示・欠損扱いになることが主因です。地域×セグメントという掛け合わせは、まさにこのしきい値の影響を受けやすい組み合わせです。しきい値が発動する条件や回避のための設計については、GA4のデータしきい値でユーザー数が欠ける仕組みと回避設計で詳しく整理しているので、あわせて確認しておくと欠損の理由を切り分けやすくなります。

単一市区町村で断定せず「束」で読む

位置情報の精度を実測検証した海外の事例として、Stéphane Hamel氏によるケーススタディでは、都市レベルの位置情報には一定の誤差が前提としてあり、より精密な位置が必要な場合はフォームの自己申告データやHTML5 Geolocation、カスタムディメンションによる補完設計が有効だと述べられています。予約フォームや来店エリアのアンケートを持っている店舗であれば、GA4の市区町村データ単体で断定せず、こうした一次情報と突き合わせて読む方が精度は上がります。実務としては、単一の市区町村の数値の増減に一喜一憂するのではなく、通勤圏や主要発地という「束」で傾向を捉える読み方が安全です。

分けて見えた差をどう施策に活かす?広告・MEOの打ち分け

比率の違いで打ち手を分岐させる判断ツリー 図3: 比率の違いで打ち手を分岐させる判断ツリー

3セグメントの行動差が見えたら、それを広告の地域設定・MEOの訴求内容・LPの出し分けという具体的な施策に接続する段階に入ります。分析のための分析で終わらせないことが、このセグメント設計の本来の目的です。

カナダ・ブリティッシュコロンビア州観光局(Destination BC)が事業者向けに公開している解説では、地域データでローカル訪問者と州外・国外からの観光客を区別し、来訪元エリアごとに広告投資を強化すべきか判断するという手順が推奨されています。観光地の公的機関がこの型を標準的な手順として案内している点は、京都の店舗にもそのまま応用できる考え方と言えます。

観光客比率が高い場合の打ち手

国内観光客・インバウンドの比率が高く、かつエンゲージメント率も高い場合は、広告の配信地域を京都府外・海外に広げる余地があるサインです。リスティング広告のエリア設定やキーワード選定を観光客向けに最適化する具体的な設計は、京都で観光客と地元客を分けるリスティング広告のエリア・キーワード設計で解説しています。

地元客比率が高い場合の打ち手

地元客セグメントの比率とリピート傾向が高い場合は、広告よりもMEO(マップエンジン最適化)や口コミ施策への投資配分を見直す方が費用対効果に見合うケースが多いと言われます。美容院を例にした観光客・地元客の切り分けとMEO×広告の具体設計は、京都の美容院が観光客と地元客を分けて集客するMEO×広告設計で扱っているので、業種が近い場合は参考になります。

GA4オーディエンスとしてGoogle広告に連携する

作成したセグメントは、GA4の「オーディエンス」機能を使えばGoogle広告のリマーケティングリストとして連携できます。ただし、GA4で作ったオーディエンスがGoogle広告側に反映されない、あるいは件数が想定より少なく表示されるといったつまずきは珍しくありません。連携時の確認ポイントはGA4のオーディエンスがGoogle広告に反映されない理由にまとめているので、連携前に目を通しておくとトラブルシューティングの時間を減らせます。

京都の店舗ならではの注意点

桜の季節、格子窓越しに通りを見つめる店主 桜の季節、格子窓越しに通りを見つめる店主

京都の店舗サイトでこの3セグメント分析を運用する際は、一般論をそのまま当てはめると誤読しやすいポイントが2つあります。

桜・紅葉シーズンは月次比較でなくセグメント内比較で見る

桜や紅葉のシーズンはサイト全体のアクセスが大きく跳ねるため、前月比・前年同月比だけで評価すると、その増加が観光客によるものなのか地元客の行動変化なのかが見えなくなります。季節波動が大きい期間は、月次の絶対数比較ではなく、同じ期間内でのセグメント間の構成比の変化を見る方が、施策の効果測定として意味を持ちやすくなります。

左京区・大学エリアは「地元客」の定義に注意

左京区や北区など大学が集中するエリアは、住民登録上は「地元」であっても、行動特性としては短期滞在の学生や下宿生が多く含まれ、観光客に近い一見さん的な動きを見せることがあります。業種によっては、こうしたエリアを地元客セグメントに含めるかどうかで数値の意味合いが変わってくるため、機械的に住所ベースで括るのではなく、自店舗の客層仮説に照らして市区町村リストを調整することをおすすめします。地域セグメントをさらに行動データと重ね掛けして分析を深めたい場合は、GA4探索のセグメント重ね掛けでLPの改善ポイントを特定する方法も参考になります。

よくある質問

Q:GA4で市区町村が(not set)になるのはなぜですか?

主な原因は、IPアドレスから地域を特定できなかったケースと、Googleシグナルを有効にしている場合に働くデータしきい値によってユーザー数が少ない行がまとめて非表示になるケースの2つです。(not set)はゼロにはできない前提で、欠損を織り込んだ上で傾向を読むのが現実的な運用です。

Q:GA4の地域データ(市区町村)はどこまで正確ですか?

国レベルの精度は比較的高いとされていますが、市区町村レベルはIPアドレス推定やモバイルキャリア回線への依存によって誤差が生じやすくなります。単一の市区町村の数値を真値として断定するのではなく、通勤圏などの「束」で捉える診断シグナルとして扱うのが実務上の解と言えます。

Q:GA4で観光客と地元客を分けるセグメントはどう作りますか?

探索レポートで市区町村ディメンションと国ディメンションを条件にした3つのセグメント(地元客・国内観光客・インバウンド)を作成し、セグメントの比較機能で並べて確認する方法が基本です。地元客は京都市+通勤圏の市区町村、国内観光客は京都府外の主要発地、インバウンドは国が日本以外という条件で切り分けます。

Q:GA4の地域名が英語表記なのはなぜですか?京都市はどう検索しますか?

GA4の地域ディメンションは仕様上、地名がローマ字の英語表記で格納されています。京都市を検索する場合は「Kyoto」、宇治市は「Uji」、大津市は「Otsu」のように、日本語の市区町村名ではなく英語表記のスペルで条件を設定する必要があります。

真策堂では、GA4の地域セグメント設計から、その先の広告配信エリア・MEO訴求・LP出し分けまでを一連の流れとしてご相談を受けています。観光客と地元客の数字が混ざったままモヤモヤしている、あるいはセグメントは作ったものの施策への落とし込み方に迷っているという場合は、お気軽にお問い合わせください。

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