初級SQLアナリスト講座|BigQuery×SQLを最短で触る
BigQueryのデータはあるのにSQLが書けず自分で抽出できない広告運用者・マーケ担当向けに、初級SQLアナリスト講座の中身と料金体系、独学との違いを実務目線で解説します。
ℹ️ 本記事はアフィリエイトプログラム(一般社団法人ウェブ解析士協会)による収益を含みます。料金・制度は変わることがあるため、申し込み前に必ず公式サイトの最新情報をご確認ください(本記事は2026年7月時点)。
この記事のポイント
- 初級SQLアナリスト講座は「BigQueryとSQLの基礎操作」を約3時間×2日で学ぶ実践型講座。ウェブ解析士資格を持っていなくても受講できます
- カリキュラムはBigQueryの基礎から結合・ウィンドウ関数・実務演習まで9セクション。座学で終わらず、実際にBigQueryを操作しながら進みます
- 現時点では資格認定ではなく「修了証」止まり。料金も公式ページで非公開のため、申し込み前に必ず確認が必要です
- 独学(Progate・Udemy等)や他資格と比べると、質問できる環境と「決まった期間で強制的に手を動かす」構造が最大の違い
- 広告運用・アクセス解析の現場で「データはあるのに自分で抽出できない」を解消したい個人にも、チームのデータ内製化を進めたい法人にも刺さる講座です

こんな場面、困っていませんか
広告のレポートを作っていて、こんな場面に心当たりはないでしょうか。
「GA4の画面だけだと知りたい粒度で見られない」「BigQueryにGA4のイベントデータがエクスポートされているのは知っているけど、SQLが書けないから毎回エンジニアや外部パートナーにお願いしている」「依頼してから結果が返ってくるまで数日かかり、その間にキャンペーンの意思決定が止まる」——広告運用やアクセス解析の現場では、実はかなりよくある話です。
GA4はBigQueryへの生データエクスポート機能を持っていて、日別のイベントテーブル(events_YYYYMMDD)としてデータが溜まっていきます。ここには管理画面のレポートには出てこない粒度の情報(イベントパラメータ単位、ユーザーIDとセッションIDの紐付けなど)が眠っています。ところが、これを自分で取り出すにはSQLの知識が要る。多くのマーケ担当者・広告運用者はここで足が止まり、「データはあるのに使えない」状態のまま日々のレポーティングをこなしています。
さらに厄介なのは、GA4の管理画面上の数字と広告媒体側の数字が合わない、という相談です。原因を切り分けるときも、実は「集計単位のズレ」(ユーザー単位で見ているのか、セッション単位なのか、イベント単位なのか)が犯人であることが多く、これを検証するにはBigQuery上で自分でクエリを書いて、生データレベルで数字を出し直す作業がほぼ必須になります。管理画面のグラフを何度眺めても、この手のズレの原因は見えてきません。
こうした「自分でSQLを書いて一次データにあたる」スキルがあるかどうかで、レポーティングの精度もスピードも大きく変わります。今回紹介する初級SQLアナリスト講座は、まさにこの「自分でBigQueryを触れるようになる」ための入口として設計された講座です。
初級SQLアナリスト講座とは(資格体系での位置づけ)
資格体系の中で独立した入口としての講座
初級SQLアナリスト講座は、ウェブ解析士協会(WACA)が2022年に新設した講座です。BigQueryとSQLの基礎・操作方法を学び、ビッグデータ・AI時代に必須とされるデータ分析の基礎知識を身につけることを目的としています(出典: WACA公式サイト)。
ここで押さえておきたいのが、この講座はウェブ解析士資格の保有を前提としない独立講座だという点です。WACAにはウェブ解析士(初級)→上級ウェブ解析士という王道ルートとは別に、特定スキルに特化した「エキスパート講座」群があり、初級SQLアナリスト講座はその一つに位置づけられます。つまり「ウェブ解析士は持っていないけど、SQLだけ先に学びたい」という人でも申し込める設計です。
この位置づけは実務家にとってメリットが大きいと感じます。ウェブ解析士の基礎講座から段階を踏むと、SQLに触れるまでに時間がかかりますが、この講座なら「BigQueryを自分で触れるようになる」というピンポイントの課題に、遠回りせず取り組めるからです。
料金・カリキュラム・受講形式(一次情報)
図1: 9セクションの積み上げ構造で実務演習まで
公式情報をもとに、講座の中身を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 講座形式 | 約3時間×2日(講座枠は当日の進行に備え4時間確保) |
| 受講条件 | ネット接続のノートPC必須(BigQueryを実際に操作しながら進行) |
| 受講料 | 公式ページ・会員ポータルとも金額の掲載を確認できず「未確認」。申し込み前に公式サイトで要確認 |
| 認定 | 資格認定ではなく「修了証」を発行(将来的な資格化は検討中とされる) |
| 前提知識 | 特に明記なし。初心者向けに設計 |
カリキュラムは9セクションで構成されています。
- BigQueryの基礎・登録方法・料金
- データベースとは
- SQLの基礎用語・操作
- SQL構文(基本:SELECT、絞り込み、グループ化)
- SQL構文(四則演算、集計関数)
- サブクエリ
- ウィンドウ関数
- テーブル結合
- 実務想定演習
到達ゴールとして公式が掲げているのは「見たいデータをBigQuery上から自らSQLを書いて抽出できるようになること」です。座学で終わる講座ではなく、BigQueryを実際に操作しながら手を動かして進む点は、講座選びで見落とせないポイントだと思います。
その「情報」が意味すること(深掘り)
ここで一度立ち止まって、公式情報の「意味」を読み解いておきます。
まず「資格ではなく修了証」という点。 現時点でこの講座は認定資格ではありません。つまり名刺や職務経歴書に「〇〇資格保有」と書けるものではなく、「講座を修了した」という証明にとどまります。転職活動でのアピール材料としては、初級ウェブ解析士や上級ウェブ解析士ほどの資格としての重みは持たない、という前提で考える必要があります。ただし裏を返せば、資格試験のプレッシャーなく「純粋にスキル習得だけ」を目的に受けられる講座、とも言えます。実務でBigQueryを触れるようになりたいだけなら、資格の有無より「操作できるかどうか」の方が重要なので、この点はむしろポジティブに捉えることもできます。
次に「受講料が公式ページで非公開」という点。 これは正直、申込みを検討する側からすると不便な情報です。ただし裏側を想像すると、開催調整中の講座であるため料金確定前のページ運用になっている可能性があります。実際、公式ページには「現在、講座開催調整中です」という表記も確認できました。つまり「常時開催の定番講座」というより「タイミングを見て開催される講座」という性質を持っている、と理解しておくのが実態に近いと思います。日程・料金は申し込み直前に公式で必ず確認するのが安全です。
カリキュラムの並び順にも意味があります。 BigQueryの基礎→データベース概念→SQL基本構文→四則演算・集計関数→サブクエリ→ウィンドウ関数→テーブル結合→実務演習、という流れは、実務でよくつまずく順番とほぼ一致しています。特に「サブクエリ」「ウィンドウ関数」「テーブル結合」は、独学でSQLをかじった人が最初に挫折しやすいポイントです。ここを2日間という短期集中で、実務演習まで含めて通しで学べる設計になっているのは、独学でつまずいた経験がある人には価値を感じやすい部分だと思います。
独学・他の選択肢との比較
図2: 体系性と質問可否で見る4つの選択肢
SQLを学ぶ手段は講座だけではありません。独学、他の資格、実務OJTなど選択肢は複数あるので、それぞれの特徴を整理しておきます。
| 選択肢 | 費用感 | 期間 | 体系性 | 質問できるか | 証明力 |
|---|---|---|---|---|---|
| 初級SQLアナリスト講座 | 公式要確認 | 3時間×2日 | 高い(9セクションで実務演習まで) | 講座内で可能 | 修了証(資格ではない) |
| 独学(書籍・動画教材) | 比較的低コスト | 自分のペース次第 | 教材による | 基本なし | なし |
| 統計検定・データ分析系の他資格 | 資格による | 資格による | 高いが座学中心のことが多い | 資格による | 資格として明記可能 |
| 実務OJT(先輩・外注に教わる) | 実質無料〜社内コスト | 不定 | 属人的になりがち | 都度可能 | なし |
独学の最大の壁は「エラーで詰まったときに誰にも聞けない」ことだと思います。SQLは構文エラーひとつで先に進めなくなることが多く、ここでモチベーションが折れる人は少なくありません。講座形式であれば、決まった期間内に強制的に手を動かし、疑問点をその場で解消できる環境がある点が独学との明確な違いです。
一方で、実務OJTは費用がかからず即実践的というメリットがありますが、教える側の理解度や体系性に依存しやすく、「なんとなく動くクエリは書けるけど、なぜそう書くのかは分かっていない」状態になりがちです。体系的にSQLの考え方(サブクエリ・ウィンドウ関数・結合の使い分けなど)を押さえたいなら、講座形式の方が回り道が少ないと感じます。
向いている人・向いていない人
分かれ道に立つ、二つの選択
以下のような人には、この講座は向いていると思います。
- BigQueryにGA4データがエクスポートされているのは知っているが、自分で触ったことがない人
- 広告レポート作成のたびにエンジニアや外部パートナーに依頼していて、そのタイムラグに困っている人
- 独学でSQLの入門書やUdemyなどの教材を試したが、途中で挫折した経験がある人
- チームでデータ分析を内製化したい、育成コストをかけてでもメンバーにSQLを習得させたい法人担当者
逆に、次のような人にはあまり向いていないかもしれません。
- すでに実務でSQLを日常的に書いていて、応用(パフォーマンスチューニングや複雑な分析基盤設計など)を学びたい人。この講座は初心者向け設計のため、物足りなく感じる可能性があります
- 資格としての証明力を最優先したい人。現時点では「修了証」であり、認定資格ではない点は割り切りが必要です
- 料金が事前に明確でないと動けない人。現状は公式サイトでの個別確認が前提です
実務でどう使うか(広告運用の現場目線)
広告運用やアクセス解析の現場で、SQLとBigQueryが実際にどう役立つか、具体的な場面で考えてみます。
1. 「広告経由のCVがGA4と広告管理画面で合わない」ときの検証。 管理画面のグラフを見比べているだけでは原因はわかりません。BigQueryのイベントデータをSQLで抽出し、ユーザー単位・セッション単位・イベント単位でそれぞれ集計し直すことで、「どの粒度で数字がズレているか」を自分の手で切り分けられるようになります。これは講座のカリキュラムでいう「集計関数」「グループ化」がそのまま活きる場面です。
2. 「特定のランディングページ経由のユーザーだけの行動を見たい」というアドホックな分析。 管理画面の標準レポートにはない切り口で見たいとき、サブクエリやテーブル結合を使えば、GA4のイベントテーブルと広告のコンバージョンデータを自分で組み合わせて抽出できます。毎回エンジニアに依頼していた作業を、自分の手元で完結できるようになるのは、意思決定のスピードに直結します。
3. 「複数キャンペーンのユーザーの初回接触〜コンバージョンまでの経路を追いたい」というアトリビューション寄りの分析。 ウィンドウ関数を使えば、ユーザーごとの行動を時系列で並べて「最初に接触した広告」「最後に接触した広告」を抽出するといった処理が可能になります。これはGA4の標準機能だけでは細かく見づらい部分で、SQLが書けると分析の幅が一気に広がります。
こうした場面は、広告運用者にとって「あるある」だと思います。BigQuery×SQLが自分で扱えるようになると、レポーティングの精度とスピードの両方が変わってくる、というのが現場感覚です。
デメリットと「意味ない?」への回答
正直なところも書いておきます。
まず、繰り返しになりますが資格ではなく修了証止まりという点は、転職活動での客観的な証明材料としては物足りなさが残ります。履歴書に「初級SQLアナリスト講座 修了」と書くことはできますが、「初級ウェブ解析士」のような資格としてのインパクトは今のところありません。
また料金が公式ページで非公開という運用も、他の講座と比べると申し込みのハードルになり得ます。開催が「調整中」というステータスである以上、常設講座のように気軽に日程を選べるとは限らない点も踏まえておく必要があります。
「結局、意味ないのでは?」という懸念については、資格としての証明力ではなく「実務でBigQueryを自分で触れるようになるかどうか」で判断するのが実態に近いと思います。9セクションのカリキュラムが実務演習まで含めて設計されている以上、独学で挫折した経験がある人にとっては、2日間で一気に基礎を固められる価値は十分にあります。逆に「資格の肩書がほしいだけ」という動機であれば、この講座単体では期待に応えきれない可能性があります。
法人視点で見ると、チームメンバーの誰か一人でもBigQueryを自走できるようになれば、レポーティングの外注コストや依頼待ちのタイムラグを削減できる可能性があります。教育投資として考えたとき、修了証の有無よりも「実際に手が動くようになるか」を評価軸にするのが現実的だと思います。
よくある質問
Q. ウェブ解析士の資格を持っていなくても受講できますか? はい、受講できます。初級SQLアナリスト講座はウェブ解析士資格の保有を前提としない独立講座として位置づけられています。SQLだけを先に学びたい人でも申し込み可能です。
Q. 受講料はいくらですか? 公式サイト・会員ポータルとも本記事執筆時点で金額の明記が確認できませんでした。開催調整中の講座のため、申し込み前に必ず公式サイトで最新の料金・日程をご確認ください。
Q. パソコンの知識がなくても大丈夫ですか? 公式には前提知識の明記がなく、初心者向けに設計されています。ただし講座はBigQueryを実際に操作しながら進むため、ネット接続のノートPCと基本的なパソコン操作は必須です。
Q. 修了すると資格がもらえますか? 現時点では資格認定ではなく「修了証」の発行です。将来的な資格化は検討中とされていますが、確定情報ではないため、最新状況は公式サイトでご確認ください。
Q. すでにSQLを実務で使っている人でも学べることはありますか? 講座は初心者向け設計のため、日常的にSQLを書いている人には基礎部分が物足りない可能性があります。サブクエリ・ウィンドウ関数・テーブル結合の使い方を体系的に整理し直したい、という目的であれば復習として役立つ場合もあります。
Q. 講座はオンラインですか?対面ですか? 講座形式についての詳細な明記は確認できていません(対面・オンラインの別は公式要確認)。ネット接続のノートPC必須という条件から、オンライン開催が想定されますが、最新情報は公式サイトでご確認ください。
まとめ
BigQueryにデータはあるのに、SQLが書けずに自分で抽出できない——これは広告運用やアクセス解析の現場で本当によくある悩みです。管理画面の数字が合わないときの原因切り分けも、アドホックな分析も、結局は生データにSQLでアクセスできるかどうかで、スピードと精度が大きく変わってきます。
初級SQLアナリスト講座は、3時間×2日という短期集中で、BigQueryの基礎からサブクエリ・ウィンドウ関数・テーブル結合・実務演習までを一気に押さえる設計になっています。資格ではなく修了証止まりという点、料金が公式ページで非公開という点は正直に受け止めた上で、「自分の手でBigQueryを触れるようになりたい」という目的にはまっすぐ応える内容だと感じます。
転職・キャリアアップを考えている個人であれば、独学で挫折した経験があるほど、決まった期間で強制的に手を動かせるこの講座の価値を感じやすいはずです。また、チームのデータリテラシーを底上げしたい、レポーティングを内製化したい法人担当者にとっても、教育投資としての選択肢になり得ます。
まずは初級SQLアナリスト講座の公式ページで、最新の開催日程と料金を確認してみてください。開催調整中のタイミングもあるため、気になった時点で早めにチェックしておくのがおすすめです。初級SQLアナリスト講座の詳細は公式サイトから確認できます。
受講前にやっておくと、当日の2日間が変わる
講座はBigQueryを実際に操作しながら進む形式なので、環境の準備でつまずくと、その分だけ学習に使える時間が削られます。事前に確認しておきたいのは、大きく3つかなと思います。
1つめは、Googleアカウントとプロジェクトの用意。BigQueryには課金アカウントを紐付けずに試せる「サンドボックス」があり、無料で触り始められますが、作成したテーブルに有効期限が設定されるなどの制約があります(出典: Google Cloud 公式ドキュメント)。一方、業務データを扱うなら会社のGCPプロジェクトを使うことになるので、自分のアカウントにクエリ実行とデータ閲覧の権限が付いているかを、当日ではなく事前に管理者へ確認しておくのが安全です。権限申請は社内フローで数日かかることもあり、ここを当日に持ち越すと、講座中ずっと講師の画面を眺めるだけになりかねません。
2つめは、GA4とBigQueryのリンク設定。GA4のBigQueryエクスポートは、リンクを設定した時点以降のデータから蓄積される仕様で、過去分は遡って入りません(出典: GA4 公式ヘルプ)。「講座で学んだあと自社データで練習しよう」と思っていても、リンクが未設定なら練習台となるデータがそもそも無い、という事態が起こり得ます。まだなら受講前に設定だけ済ませてデータを溜め始めておくと、修了直後に実データで手を動かせます。
3つめは物理的な話で、画面。クエリエディタと実行結果、そして講師の画面を同時に見ることになるので、小さいノートPC1枚だとかなり窮屈です。外部ディスプレイかタブレットをサブに用意できるなら、そのほうが快適だと思います。
カリキュラムの外側にある「GA4テーブル特有の壁」
公開されている9セクションは、SELECT・集計・サブクエリ・ウィンドウ関数・結合という、SQLの一般的な土台です。ただ、GA4のエクスポートデータを触ろうとすると、この土台だけでは越えにくい壁がいくつかあります。ここを事前に知っておくと、講座中の限られた質問時間を有効に使えるはずです。
代表的なのがネスト構造です。GA4の events_YYYYMMDD テーブルの event_params は繰り返しレコード型になっていて、SELECT event_params と書いても中身が素直に取り出せません。UNNEST で展開したうえで key で絞り込み、値は value.string_value / value.int_value のように型ごとに別のカラムから取る、という書き方になります(出典: GA4 BigQuery Export スキーマ)。一般的なSQL入門書にはあまり出てこない形なので、独学でSELECTまで覚えた人が最初に面食らうのは、だいたいここかなと思います。
もう一つがテーブルの分かれ方です。GA4のデータは日別テーブルとして増えていくため、期間指定はワイルドカード(events_*)と _TABLE_SUFFIX での絞り込みが基本になります。これを知らずに全期間をスキャンすると、返ってくる結果は同じでも、課金対象のバイト数は大きく変わります。BigQueryはスキャン量に対する従量課金なので、「動いたから正解」で終わらせない感覚が要る部分です。
「UNNESTはどう書くのか」「日付でどう絞るのか」を論点として持ったまま臨めば、その場で聞ける密度は確実に上がると思います。
修了後の2週間をどう使うか
2日間の講座で一番もったいないのは、修了証を受け取ったあと一度もクエリを書かずに終わることです。手を動かさない期間が空くと、覚えた構文はきれいに抜けていきます。
最初に書く1本の題材は、次の3条件で選ぶと失敗しにくいと思います。①GA4の管理画面でも数字を検算できること(答え合わせができないと、間違っていても気づけない)②週次や月次で繰り返している集計であること(繰り返す作業ほど習得の元が取れる)③間違っても実害が出ないこと(請求や入稿に直結するデータから始めない)。この条件を満たす出発点としては、「先月の流入チャネル別セッション数」あたりが現実的なラインになりやすいです。
書けたクエリは、保存済みクエリやビューとして残しておくと次回が楽になります。結果をチームに配る段階まで見据えるなら、スプレッドシートのコネクテッドシート機能でBigQueryのデータを直接参照させる方法もあり、「書けるだけ」から「共有できる」に進める一歩になります。
課金面では、クエリ設定の「課金される最大バイト数」に上限を入れておく、実行前にエディタ上部に出るスキャン量の見積もり表示を確認する、SELECT * を癖にしない——この3つを最初から習慣にしておくと、学習中の想定外の課金を防ぎやすいかなと思います。
開催が「調整中」のあいだ、待つか先に進めるかの判断基準
公式ページが「開催調整中」の表記になっている時期は、次の日程がいつ出るか分からないまま待つことになります。ここで迷ったら、「SQLが書けないことで、いま実際に止まっている業務があるか」を基準にすると判断しやすいと思います。
毎週のレポートで外部への抽出依頼が発生している、数字のズレの原因調査が宙に浮いている、といった状態なら、待つより先に独学でSELECT・WHERE・GROUP BYあたりまで進めてしまったほうが損が少ないかなと。講座の前半はこの基礎にあたるので、先に触っておけば、当日はサブクエリ・ウィンドウ関数・結合という後半の山場に集中できます。
逆に、急ぎの案件はなく「いずれ必要になりそう」という段階なら、日程が出るまで待つ選択も十分ありだと思います。その場合も、公式ページを定期的に見に行くタイミングだけは先に決めておくと、気づいたら募集が終わっていた、という事態は避けやすいはずです。
申し込み前に公式へ確認しておきたい項目
料金と日程以外にも、公開情報からは読み取れず、かつ受講の満足度に直結しそうな点がいくつかあります。問い合わせるなら、まとめて聞いておくと二度手間になりません。
- 演習で使うデータ:講座側が用意したサンプルデータなのか、自分のプロジェクトのデータを使えるのか。前者なら、社内の権限申請を急ぐ必要は薄くなります
- 録画・アーカイブの有無:2日間のうち片方に出られなかった場合や、復習したい場合の扱い
- 講座後の質問窓口:質問できるのが当日だけなのか、修了後もしばらく受け付けてもらえるのか
- BigQueryの利用料の扱い:演習で発生するクエリ費用が受講者負担になるのか、無料枠の範囲で収まる設計なのか
- 領収書・請求書の宛名と支払い方法:会社経費で受ける場合、ここが合わないと社内申請が通らないことがあります
- 日程変更・キャンセルの規定:業務都合で動かせない予定が入りやすい人ほど、先に見ておきたい部分です
特に法人で複数名を受けさせる場合は、演習データと請求まわりの2点が社内調整の論点になりやすいと思います。
自分で出した数字が管理画面と合わないときの切り分け順
SQLが書けるようになって最初にぶつかるのは、おそらく「自分のクエリの結果が、GA4の管理画面と一致しない」という場面です。ここで「書き方が間違っている」と決めつけて手が止まる人は多いと思うのですが、実際には仕様上の差で説明がつくケースも少なくありません。疑う順番としては、次の流れが分かりやすいかなと思います。
- 日付の基準:
event_timestampはUTCのマイクロ秒で記録されている一方、event_dateはプロパティのタイムゾーン基準の日付です。タイムスタンプ側で日付を切ると、日本時間の1日とは区切りがずれます - セッションの数え方:セッションIDにあたる
ga_session_idはユーザーごとに振られる値なので、単体で数えると別ユーザーの同じ値が1つにまとまってしまいます。user_pseudo_idと組み合わせて数えるのが基本です - 対象テーブル:当日分は
events_intraday_という別テーブルに入るため、events_*の指定の仕方によっては、含めたつもりのない当日分が混ざることがあります。直近の日別テーブルは、あとからデータが追加・更新されることもあります - 管理画面側の処理:管理画面のレポートには、推定によるユニーク数の算出、しきい値によるデータの非表示、同意状況に応じたモデリングなどが入る場合があります。エクスポートされた生データにはこれらが反映されないため、完全一致しないこと自体は異常とは限りません(出典: GA4 公式ヘルプ)
1〜3は自分のクエリ側で直せるもの、4は直せないものです。まず1〜3を順に潰し、それでも残る差は「仕様上の差」として、差の理由ごとチームに共有する。この線引きを持っておくと、数字が合わないたびに振り出しに戻ることは減ると思います。
- 資格・スキルアップ
WACAのGA4講座(小川卓監修)は何が学べる?対象者と料金
GA4は入れたのに数字がどう見れば良いか分からない、広告とGA4の数値が合わない――そんな担当者向けに、小川卓氏監修のWACA GA4講座の中身と料金、向き不向きを解説します。
- 資格・スキルアップ
BigQueryでGA4生データを触る最初の一歩(現場で何ができる?)
BigQueryにGA4データはエクスポートされているのに誰も見ていない、SQLは書けない――そんな現場担当者向けに、生データに触れる前の考え方と最初の一歩を整理しました。
- 資格・スキルアップ
資格とスクールはどう使い分けるのか|ウェブ解析士を取った側から見た役割の違い
独学で一通り学んだのに仕事にできる気がしない、求人の実務経験要件に届かない。そんな悩みに、ウェブ解析士を取った現役の広告運用者が、資格とスクールの役割の違い、無料でできる範囲、スクールが必要な人、個別相談で確認したい点まで整理します。