真策堂
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会社設立が進まない原因はたいてい住所|本店が決まらないと定款も登記も作れない

これから法人を作る人や自宅で働くフリーランスに向けて、本店住所が決まらず会社設立が進まない理由、自宅・賃貸オフィス・シェアオフィス・バーチャルオフィスの費用と制約の比較、登記に使えないプランの見分け方、契約前に確認すべき解約条件までまとめました。

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この記事のポイント

  • 会社設立が止まる一番の原因は「本店の番地が決まらないこと」。番地が確定しないと定款も登記申請書も作れません
  • 自宅・賃貸オフィス・シェアオフィス・バーチャルオフィス、それぞれコストと制約が違います。バーチャルオフィスが唯一の正解ではありません
  • 「バーチャルオフィス=登記できる」とは限らず、プラン単位で登記の可否が分かれます。契約前の確認が必須です
  • 料金は「月額880円」だけを見ず、年間契約か単月契約か、初期費用と郵便転送費用まで含めた総額で見る必要があります
  • 事業の実態がある地域と本店が離れすぎると、法人口座の審査や取引先からの見え方で不利になることがあります

設立準備が止まる本当の理由は「住所」

会社設立が止まる本当の理由は「住所」です

会社を作ろうと決めたとき、多くの人はまず社名や資本金、事業内容を考えます。私自身もそうでした。ですが実際に手を動かしてみると、設立準備が止まる一番の原因は「本店をどこにするか」だったんですよね。

理由はシンプルで、本店の正式な番地が確定しないと、定款も登記申請書も作れないからです。社名・資本金・決算期を先にどれだけ固めても、住所が空欄のままでは書類として体をなしません。しかも住所を借りる側(バーチャルオフィスや賃貸オフィス)にも審査があり、申し込んだその日に番地がもらえるわけではありません。つまり、住所の確定が設立スケジュール全体のボトルネックになるということです。

この記事では「バーチャルオフィスを使いましょう」という結論から入るのではなく、まず住所の選択肢を横並びで整理し、そのうえでバーチャルオフィスが向くケース・向かないケースを具体的に見ていきます。

本店にできる住所の選択肢を整理する

会社の本店として使える住所には、大きく分けて4つの選択肢があります。

4つの選択肢の比較

選択肢初期費用の目安月額の目安登記可否主な制約
自宅(持ち家)ほぼ0円0円可能登記簿に自宅住所が公開される
自宅(賃貸)ほぼ0円0円契約次第大家・管理会社の承諾確認が必要になることがある。事業用利用不可の物件もある
賃貸オフィス数十万円〜(敷金・礼金・保証金)数万円〜可能固定費が重い。原状回復費用も発生
シェアオフィス数千円〜数万円数千円〜プランによる住所利用のみか、法人登記可か要確認
バーチャルオフィス契約形態により数千円〜2万円弱数百円〜数千円プランによる郵便が即日で届かない。事業実態との距離感の問題

自宅を本店にするのが一番手軽に見えますが、見落とされがちな落とし穴があります。次のセクションで具体的に見ていきます。

自宅を本店にするときに見落としがちなこと

自宅住所が登記簿に載ると気づいた瞬間 自宅住所が登記簿に載ると気づいた瞬間

自宅を本店にする一番のデメリットは、登記簿は誰でも取得できるので、自宅住所が公開されるということです。法務局に手数料を払えば誰でも登記事項証明書を取得でき、そこには本店所在地がそのまま載ります。名刺やサイトに自宅住所を出したくないと考えていたのに、登記簿経由で結局公開されてしまう、というのはよくある盲点です。

さらに賃貸の場合、契約上「本店登記の承諾確認」が必要になることがあります。事業用利用を想定していない物件では、大家さんや管理会社に「法人の本店として登記していいか」を確認する必要があり、断られる可能性もゼロではありません。この確認作業自体、地味に時間がかかるタスクです。

私自身、最初は自宅(賃貸)を本店にする前提で設立準備を進めていました。ですが登記簿の公開範囲を調べていくうちに「これは避けたい」と判断し、バーチャルオフィスに切り替えた経緯があります。切り替えた結果、副次的なメリットとして大家・管理会社への承諾確認というタスクがまるごと消えました。これは実際にやってみて初めて実感した部分です。

バーチャルオフィスなら法人登記できる、とは限らない|契約前に確認すべきことでも書いていますが、住所の公開範囲をどこまで許容するかは、事業内容や取引先との関係性によっても変わります。まずは「自分は何を守りたいのか」を紙に書き出してみることをおすすめします。

バーチャルオフィスなら安心、ではない

登記できるかはプラン単位で決まる 図1: 登記できるかはプラン単位で決まる

ここが今回一番伝えたいポイントです。「バーチャルオフィス=法人登記できる」ではありません。プラン単位で登記の可否が分かれます。

住所利用だけができるプラン(法人登記不可)と、法人登記に対応したプランは別物として用意されていることが多く、名前が似ていたり案内が分かりにくかったりすると、契約してから「このプランでは本店にできない」と気づくことになります。

私は以前から契約していた別のバーチャルオフィスが、まさに法人登記に使えないプランでした。住所そのものは借りていたのに、本店として登記申請書に書けなかったんです。ここで初めて「バーチャルオフィスにも登記可否の違いがある」ことを実感しました。契約前に必ず「このプランは法人登記に対応していますか」と明言されているかを確認する必要があります。

なお、バーチャルオフィス1については公式サイトに「法人登記に対応(月額880円のプランに含まれる)」と記載されています。ただし料金プランが将来的に変わる可能性もあるため、申し込み時点で登記対応の記載があるかを必ずご自身で確認してください。

バーチャルオフィス1の料金を総額で読み解く

月額だけでなく総額で見る料金の内訳 図2: 月額だけでなく総額で見る料金の内訳

ここからはバーチャルオフィス1の料金を、公式サイトの記載に沿って整理します。数字を安く見せる切り取り方をすると、あとで「思っていたより高い」となりキャンセルにつながりかねないので、総額で見ていきます。

月額基本料金

  • 年間契約: 880円/月
  • 単月契約: 3,960円/月(年間契約の約4.5倍)

「月額880円」という数字だけが独り歩きしがちですが、これは年間契約が前提の価格です。単月契約だと3,960円になるため、契約形態を確認しないまま「880円だと思っていた」ということが起きます。

初期費用

契約形態入会金初月分月額初期費用合計
年間契約5,500円10,560円(1年分)16,060円
単月契約5,500円3,960円9,460円

保証金は0円です。年間契約のほうが初期費用は高く見えますが、月額単価は大幅に下がるので、1年以上使う前提なら年間契約のほうがトータルで安くなります。逆に、事業を始めたばかりでまだ継続利用が読めない場合は、単月契約から様子を見るという選択肢も現実的です。

郵便物の転送費用(別途)

月額880円(または3,960円)に含まれるのは住所利用・月4回の郵便転送・LINE通知・店舗受取・代理サイン対応などですが、実際に転送してもらう郵便物1件ごとに、重量に応じた転送費用が別途発生します。

重量転送費用
50g以下150円
100g以下250円
150g以下350円
250g以下450円
500g以下600円
500g超宅配便料金

法人あてに届く郵便物は月に数通〜十数通というケースもあるので、「月額880円+郵送費用」の郵送費用部分も含めて年間コストをイメージしておくと、あとで想定外の出費に驚かずに済みます。スポット転送(550円+発送費用)や、郵便物開封スキャン(月額880円)などのオプションもあるので、頻度が多い方はオプションの活用も検討する余地があります。

🏠 住所の 選択肢を洗う ▶ 📋 登記OKの プランか確認 ▶ 📮 番地が 確定する ▶ 📝 定款・登記 申請書を作成
図:会社設立は「住所の確定」が起点になり、そこから定款・登記申請書の作成に進みます

事業の実態と本店が離れることのデメリット

バーチャルオフィス1の住所は東京(渋谷・神保町)と広島にあります。真策堂の読者には京都・関西圏など地方で事業をしている方も多いと思いますが、「本店を東京に置くこと」が誰にとっても正解ではありません。

事業の実態がある地域と本店の所在地が離れていると、次のような場面で不利に働くことがあります。

  • 法人口座の審査: 新設法人はもともと口座審査が慎重に行われる傾向があり、事業実態と本店住所の距離感も確認材料のひとつになり得ます
  • 取引先から見た整合性: 名刺やサイトの本店住所と、実際に打ち合わせをする場所が大きく離れていると、初対面の取引先には違和感を持たれることがあります
  • 管轄の役所が遠くなる: 本店所在地によって管轄の税務署・法務局・年金事務所が決まるため、地元で完結させたい手続きがやりにくくなる場合があります

私自身は、この点を踏まえて事業の実態がある地域のバーチャルオフィスを選びました。格安な東京の住所も候補にありましたが、「安いから」だけで選んで実態と離れすぎると、あとで口座開設や取引先対応で余計な説明コストがかかると判断したためです。バーチャルオフィス1のように東京・広島に拠点があるサービスは、東京や広島で事業を展開する(または展開予定の)方には合理的な選択肢になり得ますが、それ以外の地域が事業の中心なら、地元のバーチャルオフィスも比較対象に入れる価値があります。

向いている人・向いていない人

向いている人向いていない人
自宅住所を公開したくないフリーランス・個人事業主事業の実態が東京・広島から大きく離れており、地元での対面取引が中心の人
賃貸で自宅を事業用に使いにくい人郵便物を毎日その場で確認したい人(転送は月4回・追加費用あり)
物理オフィスは不要だが法人登記できる住所だけ欲しい人解約条件をあらかじめ明確にしておきたい人(現時点で公式ページに明記が見当たらない)
起業費用を抑えたい人(賃貸オフィスの敷金・礼金と比べて初期費用が小さい)すでに事業用の実店舗・オフィスがあり、そこを本店にできる人

実務での使い方:設立の流れの中でどう組み込むか

登記が完了し口座開設へ進める安心感 登記が完了し口座開設へ進める安心感

私が実際に自分ひとりの株式会社を設立したときの流れをベースに、住所確定から法人口座開設までの実務の順番を整理します。

  1. 本店にする住所の候補を決める(自宅/賃貸オフィス/シェアオフィス/バーチャルオフィスを比較)
  2. バーチャルオフィスを検討する場合、登記対応プランかを確認して申し込む(審査があるため即日では番地が出ません)
  3. 番地が確定したら定款を作成(私は本店を「◯◯市」までの記載にしました。政令指定都市であれば区まで書かなくてよく、市内での移転なら定款変更が不要になるためです。登記簿の本店欄には正式住所が入ります)
  4. 登記申請書を作成し、法務局へ申請
  5. 登記完了後に法人口座を開設(資本金の払込自体は個人口座で問題ありません。ただし口座開設は登記完了が前提です)
  6. 郵便物の受け取り方法(転送か店舗受取か)と通知の仕組みを決める

私の場合、新設法人+バーチャルオフィス本店という組み合わせは口座審査が重くなる前提でネット銀行を選び、2026年8月に開設できました。口座が通ることを保証するものではありませんが、「登記完了後でないと動けない」「新設法人は審査が慎重になりやすい」という前提を踏まえてスケジュールを組んでおくと、想定外の足止めを減らせると思います。

デメリット・注意点を正直に

いいことばかり書くと信用を失うので、正直に気になる点も挙げておきます。

  • 郵便が即日で手元に来ない: 月4回の転送が基本で、急ぎの郵便物はスポット転送(550円+発送費用)などのオプションを使う必要があります
  • 同じ住所を他社も使っている: バーチャルオフィスの性質上、複数の契約者が同じビルの住所を本店にします。取引先によっては「バーチャルオフィスか」と気づかれることもあります
  • 解約条件が公式ページで確認できていません: 契約期間の縛りや途中解約時の返金有無について、本記事執筆時点で明記された情報を確認できていません。契約前に必ず公式へ確認するか、申込フォームや契約書面で条件を確認してください
  • 翌年以降の基本料金が無料になる割引制度があるとされていますが、対象となる条件の詳細は未確認です。「無料になる」と決めつけず、申込時に条件を確認することをおすすめします

「バーチャルオフィスは意味ない」という声への実態ベースの回答

「バーチャルオフィスを本店にしても意味ないのでは」という懸念を聞くことがありますが、これは目的次第だと思います。自宅住所を公開したくない、賃貸で承諾確認が面倭、物理オフィスは要らないが住所だけ欲しい——という目的であれば、月額880円(年間契約時)+郵送費用という範囲で、その目的は達成できます。実際に私自身、バーチャルオフィスを本店にして法人登記を通し、法人口座も開設しています。

一方で「安いから」という理由だけで、事業の実態と大きく離れた住所を選ぶと、口座審査や取引先対応で余計な説明コストがかかることがあります。意味があるかどうかは、住所を借りる目的と、事業の実態との距離感の設計次第、というのが実際に手を動かしてみた実感です。

申し込む前に確認したいチェックリスト

公式へ進む前に、次の項目を自分でチェックしておくと、契約後の後悔を減らせます。

  • 契約しようとしているプランが法人登記に対応していることを明記で確認したか
  • 年間契約か単月契約か、月額と初期費用の総額を把握したか
  • 月4回を超える郵便物が想定される場合の転送費用の目安を計算したか
  • 解約条件・最低利用期間を申込前に問い合わせフォーム以外の方法(規約・契約書面)で確認したか
  • 事業の実態がある地域と、本店にする住所との距離感に無理がないか
  • 今の名刺・サイト・特商法表記でどこまで住所を公開しているか、洗い出したか

これらを確認したうえで「登記対応プランで、年間契約の総額にも納得できる」という方は、公式サイトで最新のプラン内容を確認してみてください。

バーチャルオフィス1公式サイト

よくある質問

Q. バーチャルオフィスなら必ず法人登記できますか? いいえ。バーチャルオフィスの中には住所利用のみで法人登記に対応していないプランもあります。契約前に「このプランは法人登記に対応しているか」を必ず確認してください。私自身、以前契約していた別のバーチャルオフィスが登記非対応プランで、本店にできなかった経験があります。


Q. 月額880円というのは本当ですか? 公式サイトに記載されている数字ですが、年間契約の場合の価格です。単月契約だと月額3,960円になり、約4.5倍の差があります。契約形態によって金額が大きく変わる点にご注意ください。


Q. 自宅を本店にするのと何が違いますか? 自宅を本店にすると登記簿にその住所がそのまま載り、誰でも取得可能な登記事項証明書を通じて公開されます。バーチャルオフィスを本店にすれば、その住所を代わりに登記簿に記載できます。ただし前述の通り、登記対応プランであることが前提です。


Q. 賃貸マンションで自宅を本店にしても大丈夫ですか? 契約内容によります。事業用利用や法人登記について、大家さんや管理会社への承諾確認が必要になる物件もあります。まずは賃貸契約書を確認し、不明な場合は管理会社に問い合わせることをおすすめします。


Q. 郵便物はすぐに届きますか? バーチャルオフィス1の場合、月4回の転送が基本料金に含まれており、それ以上の頻度で受け取りたい場合はスポット転送などの有料オプションを使う形になります。即日で自宅に届くわけではない点は理解しておく必要があります。


Q. 解約はいつでもできますか? 本記事執筆時点で、契約期間の縛りや途中解約時の返金有無について公式ページで確認できていません。申込前に必ずご自身で規約や契約書面を確認するか、公式サイトの最新情報をあたってください。

まとめ

会社設立が進まないとき、多くの場合その原因は「本店の住所が決まらないこと」にあります。番地が確定しない限り、定款も登記申請書も先に進められません。だからこそ、社名や資本金を決める前に、まず住所の選択肢を横並びで比較しておくことが大切だと感じています。

自宅・賃貸オフィス・シェアオフィス・バーチャルオフィスにはそれぞれ違うコストと制約があり、バーチャルオフィスが向くのは「自宅住所を公開したくない」「物理オフィスは不要だが登記できる住所だけ欲しい」という目的を持つ人です。逆に事業の実態が特定の地域に強く根ざしている場合は、その距離感が口座審査や取引先対応に影響することも正直にお伝えしておきたいポイントです。

バーチャルオフィス1については、法人登記対応の月額880円(年間契約時)というプランがある一方で、単月契約なら3,960円、初期費用や郵便転送費用も別途かかるという総額をまず押さえたうえで、登記対応プランであることと解約条件を申込前にご自身で確認してください。その条件に納得できた方は、公式サイトで最新のプラン内容を確認してみるとよいと思います。

バーチャルオフィス1公式サイト

料金・プランの一次情報はバーチャルオフィス1公式サイト(料金ページ)でも確認できます。登記対応プランかどうかの見分け方については、バーチャルオフィスなら法人登記できる、とは限らない|契約前に確認すべきこともあわせてご覧ください。

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