Microsoft広告の9月アップデート:実験機能が一般提供に、LinkedIn企業リストは1万社へ
Microsoft広告の2026年9月アップデートを解説します。A/Bテストができる実験機能の一般提供開始、LinkedIn企業リストの拡大、HubSpot連携、SOAP API廃止期限が対象です。
本記事は2026年9月30日付のMicrosoft公式発表にもとづく、2026年10月1日時点の情報です。仕様は変更されることがあるため、実際の運用前に公式ヘルプの最新情報をご確認ください。
この記事のポイント
- 広告の設定を比べて試せる「最適化実験」が、検索・ショッピング・オーディエンス・PMaxで一般提供になりました。
- LinkedInの企業リストは、1リストあたり1,000社から10,000社まで登録できるようになりました。
- HubSpot連携が加わり、獲得したリードの後続対応や、成果につながった広告の確認ができます。
- SOAP APIの廃止期限は2027年1月31日で、それまで新機能はSOAPとRESTの両方で提供されます。
何が変わったのか
Microsoft広告は2026年9月30日に、9月の更新内容をまとめた公式ブログを公開しました。大きな話題は4つあります。
1つ目は「最適化実験」の一般提供です。公式によると、検索、ショッピング、オーディエンス、Performance Max(PMax。検索やディスプレイなど複数の配信先へ自動で広告を出すキャンペーン形式)の各キャンペーンで使えるようになりました。入札、ターゲティング、クリエイティブ(広告の文面や画像)を対象にA/Bテストができ、結果は並べて比較できると説明されています。
2つ目は、LinkedIn企業リストの上限拡大です。1リストに登録できる企業名が1,000社から10,000社になりました。キャンペーンの設定中や、オーディエンスライブラリ(広告の配信先として使う人の集まりを保存しておく場所)で、複数社をまとめて登録できます。検索キャンペーンとオーディエンスキャンペーンで使えます。公式では、サポート対象の市場で世界的に利用でき、企業名は主に英語で表示されるとされています。また、EEA(欧州経済領域)、英国、スイスのユーザーは、消費者データの対象外です。
3つ目は、HubSpot(顧客情報や見込み客を管理するCRMツール)との連携です。公式によると、BingやCopilot、Outlook、Xboxを通じて、LinkedInで確認された職業人に広告を届けられます。リードを獲得したときに、次の対応を自動で実行する仕組みもあります。どの広告キャンペーンが商談や売上につながったかも確認できます。
4つ目は、API移行の期限についてです。SOAP APIの廃止日は2027年1月31日とされています。新機能や改善は、廃止まではSOAPとREST(どちらもシステム同士をつなぐ通信方式)の両方で提供されます。SDKを使う場合と使わない場合の、どちらの移行方法も用意され、ドキュメントで案内されています。
そもそも最適化実験とは
最適化実験は、広告アカウントの設定を1つだけ変えて試し、元の設定と成績を比べる機能です。A/Bテストと呼ばれる方法を、広告管理画面の中で行えるものです。
たとえば、入札の方法を変えたい場合を考えます。いきなり本番の設定を変えると、成績が上下しても、原因が入札の変更なのか、季節や競合の動きなのかが分かりにくくなります。実験では元の設定と変えた設定を並行して動かすため、同じ期間の成績を比べやすくなります。公式が挙げる対象は、入札、ターゲティング(誰に広告を出すかの条件)、クリエイティブの3つです。
なお、今回の発表は「一般提供」です。一般提供とは、試験的な段階を終え、対象のアカウントで広く使える状態になったという意味です。一般提供になる前の段階で、どの範囲に公開されていたかは、公式ブログには書かれていません。
広告運用の現場にどう影響するか
最も影響が大きいのは、最適化実験だと考えられます。これまで設定変更の良し悪しは、変更前後の数字を見比べて判断することが多かったと思います。実験機能を使えば、変更を全体に広げる前に、結果を見て判断しやすくなります。ただし、公式ブログには実験期間や必要なデータ量の目安は書かれていないため、結果がどの程度信頼できるかは、公式ヘルプで確認する必要があります。
LinkedIn企業リストの拡大は、法人向けの商材を扱う広告主に関係する可能性があります。狙いたい企業の名前を一覧にして配信先に指定するやり方は、上限が1,000社だとリストを分ける必要がありました。10,000社まで登録できれば、管理が簡単になる場合があります。一方で、企業名は主に英語で表示されるとされています。日本語表記の企業名の扱いは、公式ブログからは分かりません。
HubSpot連携は、すでにHubSpotを使っている会社にとって、広告と営業の情報をつなげやすくなる可能性があります。ただし、設定方法や利用条件、対象となるHubSpotのプランは、公式ブログには書かれていません。
SOAP APIの期限は、自社や制作会社が広告管理のツールやレポートの自動化を作っている場合に関係します。ツールを作っていない方は、ほとんど影響がないと考えられます。
いま確認しておきたいこと
- 自分のMicrosoft広告アカウントで、検索・ショッピング・オーディエンス・PMaxのキャンペーンに「実験」の項目が表示されるかを、管理画面で確認しておくと安心です。
- 代理店に運用を任せている場合は、入札方法の変更やクリエイティブの差し替えを、最適化実験で試す予定があるかを聞いてみてください。
- LinkedInの企業リストを使っている場合は、1,000社を超えて分割していたリストがないかを確認し、まとめられるか検討してみてください。
- HubSpotを使っている会社は、担当者に、Microsoft広告との連携が自社の契約内容で使えるかを確認してもらうと分かりやすいです。
- 広告データをAPIで取得するツールがある場合は、開発元に、SOAP APIを使っているかと、2027年1月31日までの移行予定を確認してください。
出典
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