Microsoft Monetizeの新機能とAppNexusアダプタ終了予告、Prebid移行の要点
Microsoft広告のパブリッシャー向け収益化基盤Monetizeの更新を解説。Copilotの不具合調査とグラフ化、DSP連携の強化、2027年初頭のAppNexusアダプタ終了に関わる、媒体運営者向けの内容です。
本記事は2026年10月21日付のMicrosoft公式発表にもとづく、2026年10月23日時点の情報です。仕様は変更されることがあるため、実際の運用前に公式ヘルプの最新情報をご確認ください。
この記事のポイント
- Copilotに、配信が伸びない取引の原因を調べる機能と、レポートをグラフにする機能が加わりました。
- CTV(テレビ向け動画)の広告枠を買い手に伝える情報が、まずThe Trade Deskから拡充されました。
- AppNexusアダプタは2027年初頭に終了し、Microsoft Prebid Adapterへの切り替えが必要です。
- Prebid.jsはv11.36.0であることの確認が、公式から案内されています。
何が変わったのか
Microsoft広告は2026年10月21日、パブリッシャー(自社サイトやアプリに広告枠を持ち、広告を掲載して収益を得る事業者)向けの収益化基盤「Microsoft Monetize」の更新内容を公式ブログで紹介しました。広告を出す側ではなく、広告枠を売る側に向けた発表です。
大きく分けて三つあります。一つ目はCopilot(Microsoftの対話型AIアシスタント)の機能追加です。「Troubleshoot deal(取引を調査して)」のように指示すると、取引の設定と配信状況を点検し、考えられる原因と次の対応を示すとされています。あわせて、レポートの結果を折れ線・棒・円・ドーナツのグラフにする機能も紹介されています。
二つ目は、広告を買う側のシステム(DSP)との連携強化です。2026年8月にDSP連携が更新され、OpenRTB 2.6という規格のポッド信号がDSPへ渡されるようになりました。最初の対象はThe Trade Deskです。このほか、Amazonの推奨にもとづく配信量の振り向けや、The Trade Deskとの非保証取引の連携更新、今四半期に出た7件の信号更新も挙げられています。
三つ目は終了予告です。AppNexusアダプタは2027年初頭に終了します。Prebid.jsからの削除と、旧エンドポイント(接続先)の廃止が含まれます。具体的な日付は公式に書かれていません。対象地域などの条件も、公式では明記されていません。
そもそもMicrosoft Monetizeとは
Microsoft Monetizeは、パブリッシャーが広告枠を売るための仕組みです。サイトに広告枠がある事業者は、複数の広告主や広告会社が入札で買えるように枠を出します。その売買を取り持つ土台にあたります。
用語もいくつか整理します。「Deal」は、特定の買い手と条件を決めて枠を売る個別の取引のことです。「DSP」は広告を買う側が使う配信管理システムで、The Trade DeskやAmazon DSPがその例です。「OpenRTB」は、枠の情報を買い手に伝えるための共通ルールで、2.6版にはCTVの広告枠をまとめて扱うための情報が含まれます。この「ポッド」は、テレビ番組の合間に続けて流れる複数本の広告のひとかたまりを指します。
「Prebid.js」は、サイトの広告枠に対して複数の買い手から事前に入札を集めるための、公開されている仕組みです。「アダプタ」は、その仕組みが各社のシステムと通信するための接続部品です。今回終了するAppNexusアダプタは古い接続部品で、後継がMicrosoft Prebid Adapterです。
広告運用の現場にどう影響するか
最も実務に響くのはAppNexusアダプタの終了です。サイトにPrebid.jsを入れていて、旧アダプタの名前で設定している場合、2027年初頭以降は入札が通らなくなる可能性があります。公式は、旧アダプタを新しいものへ更新するよう案内しています。広告枠を持たない広告主には直接の作業はありませんが、掲載先のサイトが対応しないと、広告が届く先が減る可能性は考えられます。
公式はPrebid.jsのv11.36.0を使っているかの確認も促しています。このバージョンは同意情報(ユーザーが広告表示に同意したかの記録)を引き継げるためで、DV360などのDSPで支出に影響が出るのを避ける狙いだと説明されています。同意情報が渡らないと買い手が入札を控える場合があるため、収益に響く可能性があります。
Copilotの機能は、広告枠の売り手側の担当者の手間を減らす内容です。取引の配信が伸びない原因を探す作業や、レポートからグラフを作る作業が短くなるとされています。ただし効果の大きさを示す数字は公式にありません。
DSP連携の更新は、CTV枠を持つ事業者に関係しそうです。買い手に渡る情報が増えることで売買が進みやすくなる可能性はありますが、売上がどれだけ変わるかは公式には書かれていません。
いま確認しておきたいこと
- 自社サイトのPrebid.jsの設定に、AppNexusという名前のアダプタが残っていないかを開発担当に調べてもらう。
- 使っているPrebid.jsのバージョンがv11.36.0かどうかを確認し、古ければ更新の予定を決める。
- Microsoft Prebid Adapterへの切り替え手順を、Prebidの公式ドキュメント(docs.prebid.org)で確認する。
- 広告枠の運用を代理店や外部の担当者に任せている場合は、2027年初頭までの切り替え予定を聞いておく。
- Monetizeを使っているなら、Copilotの調査機能とグラフ機能を試し、自社の取引で使えるか確かめる。
出典
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