Google広告、Data Manager統合拡大とMeridian GeoX一般提供へ
Googleが広告効果の測定ツールを刷新し、Data Managerの連携拡大とMeridian GeoXの一般提供を発表しました。何が変わるのか広告運用担当者向けに解説します。
本記事は2026年9月10日付のGoogle公式発表にもとづく、2026年9月15日時点の情報です。仕様は変更されることがあるため、実際の運用前に公式ヘルプの最新情報をご確認ください。
この記事のポイント
- Data ManagerがGoogle AnalyticsとDisplay & Video 360に直接つながり、自社データの連携設定がまとまりやすくなりました。
- Data Manager APIがIAB標準に準拠し、複数の広告媒体で共通の仕組みを使えるようになりました。
- 自社データ活用の効果を数値化する新指標「Data Strength Uplift」が導入されました。
- 地域単位で効果を検証するMeridian GeoXが、世界規模で一般提供を開始しました。
何が変わったのか
Google広告は2026年9月10日、公式ブログ「Drive profitable growth with new data and measurement tools」で、広告の効果測定に関わる複数のツールの刷新を発表しました。
まず、Data Manager(企業が自社で集めた顧客データを、広告や分析の各ツールに安全に受け渡すための管理ツール)が、Google Analytics(サイトやアプリのアクセス解析ツール)およびDisplay & Video 360(動画やディスプレイ広告などを横断して管理する媒体)と直接つながるようになりました。あわせて、拡張コンバージョン(メールアドレスなどをハッシュ化して送ることで成果計測の精度を上げる仕組み)の設定も追加されています。Googleによると、オフラインデータやアプリのデータをData Managerに連携した広告主では、増分ROAS(広告費に対して追加で得られた成果の伸び分)が平均26%増加したとしています。拡張コンバージョンの追加では、検索広告のコンバージョンが平均11%増加したとも説明しています。
次に、Data Manager APIがIAB Tech Lab(広告業界の技術標準を定める国際団体)の定めるECAPI(Event and Conversions API、成果データをやり取りするための共通規格)に準拠しました。これにより、Google以外の広告プラットフォームも含めて、同じ仕組みでオーディエンスデータや成果データを扱えるようになったとしています。
また、「Data Strength Uplift」という新しい指標が導入されました。自社データ連携の設定によって、本来なら計測から漏れていたはずのコンバージョンをどれだけ追加で捕捉できているかを数値化するものです。Google Tag Gateway(サイト訪問者のデータを自社サーバー経由でGoogleに送る仕組み)を使った場合はコンバージョンが平均14%増加、Demand Gen(動画やディスプレイなど複数の配信面をまとめて扱う広告メニュー)では20%以上増加したという数値も公式ページに示されています。
さらにMeridian(Googleが無料で公開しているMMM=マーケティング・ミックス・モデリングのツール)に、データの品質チェックを自動化するエージェント機能と、検索ボリュームなどのブランド指標をモデルに組み込む機能が追加されました。そして、地域ごとに広告の出し方を変えて効果を比較する実験手法「GeoX」をMeridian上で使える「Meridian GeoX」が、世界規模で一般提供を開始しています。対象アカウントの具体的な条件については、公式では明記されていません。
そもそもMMM(マーケティング・ミックス・モデリング)とは
MMMは、広告の効果を測る手法のひとつです。クリックした人がその後購入したかを追いかける通常のコンバージョン計測とは違い、テレビCM・SNS広告・検索広告など複数の施策と売上全体の関係を、まとめて統計的に分析します。個人を特定するデータを使わずに済むため、クッキー規制やプライバシー保護の流れの中でも使いやすい手法として注目されてきました。
Meridianは、このMMMをGoogleが公開している分析ツールです。今回一般提供が始まった「GeoX」は、地域ごとに広告の出し方(出す・出さない、予算を増やす・減らすなど)をあえて変えて、その差から本当の効果を確かめる実験の手法です。実験で得られた結果をMeridianの計算に組み込むことで、モデルの精度を高められるとGoogleは説明しています。
広告運用の現場にどう影響するか
Data ManagerがGoogle Analytics・DV360と直接つながったことで、これまで別々に設定・管理していた顧客データの連携作業が、ひとつの窓口にまとまっていく可能性があります。特にオフラインの購入データやアプリ内の行動データを広告の成果計測に反映させたい場合、設定の手間が減ると考えられます。
Data Manager APIがIABの共通規格に準拠したことも見逃せないポイントです。特定の媒体専用の設定ではなく共通規格に沿ってデータを渡せるようになるため、複数の広告媒体を横断して運用している場合は、連携の仕組みを一本化しやすくなる可能性があります。
「Data Strength Uplift」は、感覚的に語られがちだった「自社データ連携をきちんとやるとどれくらい良くなるか」を数字で確認できるようにする指標です。社内で自社データ活用の投資対効果を説明する際の材料として使える場面が増えるかもしれません。
Meridian GeoXについては、これまで大規模な広告主や統計解析の専門知識を持つチームでないと扱いにくかった実験的な効果検証が、より身近になる可能性があります。ただし公式ページでは具体的な操作方法や必要なデータ量までは説明されていないため、実際の使い勝手は今後の情報を待つ必要があると考えられます。
いま確認しておきたいこと
- 自社(または担当アカウント)のGoogle広告アカウントで、Data ManagerがGoogle AnalyticsやDV360とすでに連携できる状態になっているか管理画面で確認する
- 拡張コンバージョンの設定が有効になっているか、未設定の項目が残っていないか見直す
- 「Data Strength Uplift」の指標が自分のアカウントのレポートに表示されているか確認する
- Meridianをすでに利用している場合は、GeoXの実験機能やブランドシグナルの組み込み設定が使える状態か確認する
- Data Manager APIのIAB準拠化について、他の広告媒体でも同じ仕組みを使う予定があるなら各媒体側の対応状況を確認する
出典
- ニュース
Google広告、リードから成約までのAI活用を強化する新機能群を発表
Googleがリード獲得から成約までの流れをAIで支援する新機能を発表しました。自動入札やアセット生成の刷新など、広告担当者と経営者が押さえておきたい変更点を解説します。
- ニュース
Google広告、Asset StudioでURLや写真から動画を作成できる機能を紹介
GoogleがYouTube広告向けに、既存のSNS素材の活用法とAsset Studioの動画生成機能を紹介しました。Demand Genを運用する担当者や、広告を代理店に任せている方に関係する内容です。
- ニュース
Google広告のAsset StudioにGemini Omni、ブランドに沿った動画広告を作成できる機能が登場
Google広告のAsset Studioで、Gemini Omniを使い画像やブランド資料から動画広告を作れる機能の発表です。広告担当者や、動画CRの制作を外部に任せている事業者に関係します。