バーチャルオフィスの費用は月額だけで判断しない|入会金・年契約・郵送費まで足して比べる
自宅住所を登記や名刺に載せたくない、本店をどこにするか決まらない。そんな独立前後の方へ、バーチャルオフィスの月額880円を入会金・年契約・郵送費まで足した総額で読み解き、登記可否の確認点と向き不向きを、公式サイトの情報から整理します。
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この記事のポイント
- 「月額880円」は年間契約時の価格です。単月契約は月3,960円で、4.5倍の差があります
- 初期費用は年間契約16,060円/単月契約9,460円。郵便転送費(50g以下150円〜)は別途かかります
- 初年度の目安は、年間契約なら約1.6万円+郵送費、単月契約を12か月続けると約5.3万円+郵送費です(税込・公式サイト記載の料金から私が計算)
- 「バーチャルオフィスなら登記できる」とは限りません。プラン単位の可否を契約前に確認するのが先です
- 解約条件・最低利用期間は、私が確認できた公式ページの範囲では見つかりませんでした。申込前に必ず確認してください

住所は「安さ」より先に「何を守りたいか」から決める
自宅住所を載せたくない、という悩み
事業を始めるとき、意外と詰まるのが住所です。
- 法人を作りたいが、本店をどこにするか決まらず、定款の作成から先に進めない
- 自宅で仕事をしているが、名刺やサイト、特定商取引法に基づく表記に自宅住所を載せたくない
- 賃貸マンションの契約で事業利用が認められているのか分からない
- 実店舗は要らないが、住所だけは必要
この悩みを「バーチャルオフィスが安いらしい」から入ると、少しずれると思います。先に決めたいのは、その住所に何をさせたいのかです。
| 住所に求める役割 | 具体例 |
|---|---|
| 登記上の本店 | 法人の登記簿に載る。誰でも閲覧できる |
| 対外的な連絡先 | 名刺、サイト、請求書、特商法表記 |
| 郵便の受け口 | 取引先や官公庁からの書類 |
| 実際に働く場所 | 作業・打ち合わせ・保管 |
バーチャルオフィスが担えるのは、主に上の3つです。4つ目の「実際に働く場所」は別に用意する前提になります。ここを取り違えると、契約してから「思っていたのと違う」となりやすいです。
4つの選択肢を並べて比べる
バーチャルオフィスは、選択肢の1つにすぎません。まず全体を見ておきます。
| 選択肢 | コストの傾向 | 向いている場面 | 主な制約 |
|---|---|---|---|
| 自宅の住所を使う | 追加費用はほぼなし | とにかく費用を抑えたい | 住所が公開される。賃貸は規約確認が必要 |
| 賃貸オフィス | 賃料・敷金・内装など最も重い | 人を雇う、来客が多い | 固定費が大きく、契約も長め |
| シェアオフィス・コワーキング | 中程度 | 作業場所も欲しい | 住所利用や登記の可否は施設ごとに違う |
| バーチャルオフィス | 住所のみなら軽い | 場所は要らず住所だけ欲しい | 実態のある場所ではない。郵便は転送になる |
比較の軸は料金だけでなく、次の3つを足すと判断しやすくなります。
- 住所を公開してよい範囲(登記簿、名刺、サイト、特商法表記のうちどこまでか)
- 作業場所が別にあるか(自宅や取引先の拠点で足りるか)
- 郵便物をどれくらい受け取るか(月数通か、毎日のように届くか)
詳しい選び方は、別記事の事業用の住所をどう用意するか|自宅・賃貸・シェアオフィス・バーチャルオフィスを条件で比べるにまとめています。この記事では、その中のバーチャルオフィスについて料金の見方に絞って掘り下げます。
「月額880円」の中身を分解する
ここから、バーチャルオフィス1の公式サイトに記載されている内容を整理します。料金は2026年8月時点で確認したもので、いずれも税込です。
基本料金と契約形態
| 項目 | 年間契約 | 単月契約 |
|---|---|---|
| 月額基本料金 | 880円 | 3,960円 |
| 入会金(初年度のみ) | 5,500円 | 5,500円 |
| 保証金 | 0円 | 0円 |
| 初期費用の合計 | 16,060円(入会金+月額1年分10,560円) | 9,460円(入会金+初月3,960円) |
月額880円は「年間契約時」の価格です。単月契約だと3,960円になり、4.5倍の差があります。ここは見落としやすいので、後で総額で比べます。
月額に含まれるもの
公式サイトでは、月額基本料金に次の内容が含まれると記載されています。
- 法人登記に対応
- 住所利用
- 郵便物の月4回転送
- LINE通知(無料)
- 店舗受取(無料・営業時間内)
- 代理サイン対応(無料)
- 来客応対システム
- DM破棄オプション(無料)
- 法人口座開設保証®
広告主提供の情報では、法人登記は追加料金なしで基本料金に含まれるとされています。ただし郵送費は別途です。また「法人口座開設保証®」の具体的な内容や条件は、私が確認できた範囲では分かりませんでした。申込前に公式の説明を確認してください。
別途かかる郵便転送費
月4回の転送は含まれますが、転送そのものの費用は別です。
| 重量 | 費用 |
|---|---|
| 50g以下 | 150円 |
| 100g以下 | 250円 |
| 150g以下 | 350円 |
| 250g以下 | 450円 |
| 500g以下 | 600円 |
| 500g超 | 宅配便料金 |
A4用紙1枚は一般に4〜5g程度なので、書類数枚の封筒なら50g以下に収まることが多いと思います。ただし、カタログや契約書の束はすぐ100gを超えます。「何が届く事業か」で転送費はかなり変わります。
主なオプション
| オプション | 料金 |
|---|---|
| スポット転送 | 550円+発送費用 |
| 時間外郵便受取ポスト | 月額2,640円(年払い) |
| 高速転送&追跡オプション | 月額880円+郵送費用 |
| 郵便物開封スキャン | 月額880円 |
| ワークスペース | 月額8,800円 |
| 定款保管 | 月額880円 |
「郵便物開封スキャン」を付けると、月額は実質で880円+880円になります。出張や移動が多く、届いた書類の中身をすぐ確認したい人には便利かもしれません。ただ、基本料金の倍になる点は頭に入れておいたほうがよいです。
総額で並べると、見え方が変わる
ここが記事の中心です。公式の料金から、初年度にかかる費用を私が計算しました(税込)。
| 項目 | 年間契約 | 単月契約を12か月続けた場合 |
|---|---|---|
| 入会金 | 5,500円 | 5,500円 |
| 基本料金(12か月分) | 10,560円 | 47,520円 |
| 郵送費を除く初年度合計 | 16,060円 | 53,020円 |
| 差額 | — | 約36,960円 |
「郵送費を除く」と書いたのは、転送費が使い方で変わるためです。ここではあくまで仮定の例として、50g以下の郵便を月4回転送した場合を考えます。
- 150円×4回=月600円、年7,200円
- 年間契約なら、初年度は16,060円+7,200円=23,260円
2年目以降は、入会金が初年度のみなので、基本料金の年10,560円と郵送費が中心になります。ただし更新時の条件は公式で確認できていないため、実際の請求は申込前にご確認ください。
この数字の読み方
単月契約が悪いわけではありません。「まず短期間だけ試したい」という人には、縛りが軽いほうが安心です。問題は、月額の安い数字だけを見て年間契約と思い込み、実際は単月で申し込んでしまうことです。あとで請求を見て驚く、というのが一番もったいない流れだと思います。
もう1つ、年間契約は安い反面、途中で解約した場合の扱いが気になります。返金の有無や最低利用期間は、私が確認できた公式ページの範囲では見つかりませんでした。「安いから年間」と決める前に、解約条件を確認するのが先です。
「登記できる」とは限らない。ここが一番の落とし穴
図1: 契約前の登記可否チェックの流れ
バーチャルオフィスという名前でも、プラン単位で登記の可否が違うことがあります。「バーチャルオフィス=登記できる」と思い込むと、契約後に本店として使えず、設立の手続きが止まりかねません。入会金などの初期費用も、かけたぶんが無駄になりやすいです。
バーチャルオフィス1の公式サイトでは、月額880円のプランに「法人登記に対応」と記載されています。ただし、今後の改定や、オプションを付けた場合の扱いは変わる可能性があります。契約前に、申し込むプランが登記に使えると明記されているかを、公式サイトの最新ページで確認してください。
確認の観点は次のとおりです。
- 申し込むプラン名で法人登記が明記されているか
- 登記の際に、契約書や利用証明などの書類が必要か
- 定款に書く住所(番地・ビル名・部屋番号)をどう表記するのか
- 個人事業主として開業届に書く場合の扱い
詳しくは、バーチャルオフィスなら法人登記できる、とは限らない|契約前に確認すべきことで整理しています。
デメリットも正直に書きます
不利な点も先に知っておいたほうが、申し込んでからの後悔が減ると思います。
1. 事業の実態と本店が離れる
バーチャルオフィス1の住所は、公式サイトによると渋谷店・神保町店(東京)と広島店です。たとえば京都や大阪で事業をしている人が、東京の住所を本店にするのは、誰にとっても正解とは限りません。
- 法人口座の審査で、事業の実態や所在地を確認される可能性がある
- 取引先から見て、実際の所在地と登記住所が違う理由を聞かれることがある
- 税務署・年金事務所など、管轄の役所が遠くなる場合がある
口座審査については、バーチャルオフィス本店で法人口座は開けるのか|新設法人の審査で見られることで整理しています。公式には「法人口座開設保証®」がありますが、具体的な保証内容と条件は、申込前に必ず確認してください。
2. 郵便は即日で手元に来ない
郵便物が届くとLINEで通知されますが、手元に届くのは転送された後です。月4回の転送が基本なので、急ぎの書類や、期限のある通知には向きません。「高速転送&追跡オプション」などもありますが、その分追加料金がかかります。
3. 同じ住所を他の事業者も使っている
バーチャルオフィスは、複数の事業者が同じ住所を使います。住所を検索すると、他社の名前も一緒に出てくることがあります。取引先によっては気にする場合もあるため、その点は理解しておく必要があります。
4. 解約条件は公式で確認できていない
最低利用期間、年契約の途中解約時の返金の有無は、私が確認できた範囲では見つかりませんでした。これは申込前の確認事項として、一番重いと思います。
向いている人・向いていない人
| 向いていそうな人 | 向いていないかもしれない人 |
|---|---|
| 実店舗や事務所は要らず、住所だけが欲しい | 来客・打ち合わせを頻繁に自分の拠点で行う |
| 自宅住所を登記・名刺・特商法表記に載せたくない | 届く郵便物が多く、毎日確認したい |
| 賃貸マンションで事業用の住所が使えない | 地元の取引先・金融機関との関係を重視する |
| 起業費用をできるだけ抑えたい | 解約条件がはっきりしないまま契約したくない |
読者像で整理すると、次のようになります。
- (A) これから法人を作る人:本店が決まらないと設立は進みません。登記に使えるプランを確認し、実態のある拠点との距離も併せて考えるのが先です。
- (B) 自宅で働く個人事業主:守りたいのは、自宅住所の公開範囲です。名刺、サイト、特商法表記のどこに載せるかを洗い出すと、必要なものが見えます。
- (C) すでに事業所を借りている経営者:固定費の見直しとして、住所だけの契約に切り替えられるかを検討する角度です。切り替えた場合の郵便の受け取り方まで想定してください。
実務での使い方のイメージ
具体的な場面を想像すると、判断しやすくなります。
場面1:広告運用やWeb制作をしている個人事業主 Webサイトの特商法表記や請求書に、自宅住所を出したくない。この場合、公開範囲は「サイト・名刺・請求書」に絞られます。郵便物は取引先からの請求関連が中心で、月に数通なら転送費は月数百円で済むかもしれません。
場面2:法人化を考えているフリーランス 定款に書く本店住所が決まらない。ここで先に確認するのは、登記可否と口座開設の考え方です。月額の安さより、設立の手続きが止まらないことのほうが重要だと思います。
場面3:賃貸オフィスを借りている小さな会社 実際は在宅勤務が中心で、オフィスはほとんど使っていない。住所だけの契約に切り替えれば固定費は下がる可能性があります。ただし、取引先や金融機関への住所変更の連絡、登記の変更手続きなど、切り替えの手間も計算に入れる必要があります。
申込前に確認したいことのリスト
申込前に、条件をひとつずつ確認
申し込みのあとに「聞いていなかった」とならないよう、事前に確認しておきたい項目をまとめます。
- 登記可否:申し込むプランで法人登記に使えると明記されているか
- 契約形態:年間契約か単月契約か。月額はどちらの価格か
- 総額:入会金、初月または年間分の基本料金、郵送費まで足して、初年度にいくらか
- 解約条件:最低利用期間、年契約の途中解約時の返金の有無
- 郵便物の量:自分の事業で月に何通届くか、重さはどれくらいか
- 法人口座開設保証®:保証の具体的な内容と条件
- 住所の公開範囲:登記簿・名刺・サイトなど、どこに住所を載せるか
- 本店と実態の距離:実際に働く場所と、登録する住所が離れていても問題ないか
なお、申込は公式サイトの申込ページから進める形になります。申込後のキャンセルや入力不備は、お互いにとって手間になります。条件が揃ってから進めるのがおすすめです。
よくある質問
Q. 月額880円だけで運用できますか? 月額880円は年間契約時の価格で、郵便転送費(50g以下150円〜)は別途かかります。入会金5,500円も初年度に必要です。年間契約の初期費用は16,060円で、これに転送費が加わると考えてください(税込、2026年8月時点の公式サイト記載)。
Q. 年間契約と単月契約は、どちらを選べばよいですか? 長く使うと決まっているなら、年間契約のほうが総額は安くなります。単月契約は月3,960円で、1年続けると入会金を含め53,020円になります。ただ、年契約の途中解約時の扱いは、私が確認できた範囲では分かりませんでした。試しに短期間だけ使いたい場合は、解約条件も含めて公式で確認してから選んでください。
Q. バーチャルオフィスなら、必ず法人登記に使えますか? そうとは限りません。プラン単位で可否が違うことがあります。バーチャルオフィス1の公式サイトでは、月額880円のプランに法人登記対応と記載されていますが、申込時点の最新情報を公式で確認してください。
Q. バーチャルオフィスの住所で、法人口座は開けますか? 審査基準は金融機関ごとに違い、私が確認できた範囲では、公式にも詳細な審査基準は載っていません。公式には「法人口座開設保証®」の記載がありますが、具体的な内容や条件は確認が必要です。口座審査の見られ方は、別記事のバーチャルオフィス本店で法人口座は開けるのかも参考にしてください。
Q. 京都や大阪で事業をしていても、東京の住所を本店にしてよいですか? 法的にできるかどうかとは別に、実態と本店が離れることで、口座審査や取引先からの見え方に影響する可能性があります。管轄の役所が遠くなることもあります。地元の取引先や金融機関との関係を重視するなら、東京の住所が最適とは限りません。
Q. 郵便物はすぐに手元に届きますか? 届いたことはLINEで通知されますが、手元に届くのは転送後です。基本は月4回の転送で、急ぎの書類には向きません。スポット転送(550円+発送費用)や高速転送のオプションもありますが、追加費用がかかります。
Q. 解約するときの条件は? 最低利用期間や、年契約の途中解約時の返金の有無は、私が確認できた公式ページの範囲では見つかりませんでした。申込前に、公式サイトの最新の規約や案内で確認してください。
まとめ
バーチャルオフィスの料金は、「月額」だけで判断しないほうがよいと思います。バーチャルオフィス1の月額880円は年間契約時の価格で、単月契約は3,960円です。入会金5,500円や郵便転送費(50g以下150円〜)も足して、初年度の総額で考えると、見え方が変わります。
もう1つ大切なのは、登記に使えるかどうかがプラン単位で違いうる点です。安さだけで選ぶと、設立の手続きが止まったり、あとから別のサービスを探し直したりして、かえって高くつくことがあります。
次のような条件に当てはまるなら、バーチャルオフィス1は選択肢に入ると思います。
- 実店舗は要らず、住所だけが必要
- 自宅住所を登記簿・名刺・サイトに載せたくない
- 事業の実態と本店が離れても、取引先や口座審査の面で問題ないと整理できている
- 解約条件と登記可否を、申込前に自分で確認する
そのうえで、契約形態(年間か単月か)、総額、解約条件を確認し、納得できたら公式サイトの申込ページへ進んでください。料金や条件は変わることがあるため、最新情報の確認は欠かせません。
公式の情報は、バーチャルオフィス1 公式でも確認できます。
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