新宿のGoogle広告 駅名・地名キーワードはAI Max時代も必要か|関心のある地域と除外の分担
新宿でGoogle広告を出すとき、AI Maxを使えば駅名・地名キーワードは要らなくなるのか。広告グループ単位の地域指定(関心のある地域)と、地名キーワード、地名の除外の役割分担を判断表で整理し、オンにした後の見直し手順までまとめました。
この記事のポイント
- 新宿のGoogle広告で駅名キーワードは、AI Maxをオンにしても不要にはならず、担う役割が絞られる。
- 地名の粒度ごとに、広告グループ単位の地域指定、地名キーワード、地名の除外のどれで扱うかを分けるのが整理の軸になる。
- 「近くの○○」は現在地で地域が判定されるため、駅名キーワードより地域設定で受ける設計が基本になる。
- AI Maxをオンにしたら、検索語句レポートを地名ごとに集計し、残す・統合する・除外へ回すを決める。
AI Max for 検索キャンペーンをオンにしたら、新宿駅、西新宿、新宿三丁目と並べてきた地名キーワードが急に宙に浮く。残すのか、消すのか、除外に回すのか。管理画面の前で手が止まる運用者は少なくないと思います。
先に結論を書くと、新宿のGoogle広告で駅名・地名キーワードは、AI Maxの時代にも一部は必要です。ただし「地名を網羅するため」の役割は薄れ、「地名ありの検索を取りこぼさず、成果を切り分けるため」の役割に絞られます。この記事では、地名の粒度を3つの手段に振り分ける判断表と、オンにした後の見直し手順をまとめます。

AI Maxを使うと新宿の駅名キーワードは要らなくなるのか
AI Maxを使っても、新宿の駅名キーワードは要らなくなりません。ただし、地名の意図を拾う仕事の大部分はキーワードの外へ移ります。残すのは、成果の切り分けや優先配信が必要な地名だけです。
AI Max for 検索キャンペーンとは、Googleが検索語や広告文、ランディングページから意図を読み取り、キーワードに頼らず配信を広げる検索キャンペーン向けの機能群です。従来の部分一致に近い広がり方をするインテントマッチ(部分一致)に加え、キーワードを使わない配信も含まれます。
キーワードを使わない配信が地名の意図をどう拾うか
キーワードレス配信では、検索語に「新宿」「西新宿」といった地名が含まれていれば、それが地域の意図として読み取られます。Search Engine Land のGinny Marvin氏の記事では、AI Maxの設定として、検索語に表れた地域の意図か、実際にいる場所かで広告グループごとに配信を絞れる点が紹介されています。登録した地域はキーワードを使わない配信にも適用されるとのことです。
日本の運用に置き換えると、「新宿 ○○」と打った人も、新宿にいて地名なしで検索した人も、駅名を並べなくても候補に入りやすくなったと言えます。ただ、拾えることと、成果が出る検索語に予算が寄ることは別の話です。
駅名キーワードを残すべき3つの条件
残す価値があるのは、次のいずれかに当てはまる地名です。
- 成果が安定している:検索語句レポートで、その地名を含む語が継続的にコンバージョンしている
- 専用の訴求がある:「新宿三丁目駅から徒歩3分」のように、地名に合わせた広告文やランディングページを出し分けたい
- 費用を地名単位で管理したい:地名ごとの上限や入札を、広告グループ単位で調整したい
逆に、どれにも当てはまらず「念のため」で置いている地名は、統合か整理の候補です。
関心のある地域(Locations of interest)とは
関心のある地域(Locations of interest)とは、AI Maxで広告グループ単位に指定できる地域設定です。検索語に表れた地域への関心を、配信の絞り込みに使えます。Google Ads Help の「Optimize Google Ads with AI Max for Search campaigns」(英語版)では、AI Max専用の機能として説明されています。
キャンペーンの地域設定との違い
キャンペーンの地域設定は、キャンペーン全体に一つ決める「どこを配信対象にするか」です。関心のある地域は、その内側で広告グループごとに別の地域を指定できる点が違います。
たとえば、西新宿を扱う広告グループと新宿三丁目を扱う広告グループで、別々の地域を指定する使い方が考えられます。地名キーワードを広告グループごとに量産していた構造を、地域指定に置き換えるイメージです。広告グループの分け方そのものは、地名キーワードの広告グループの分け方で整理しています。
日本のアカウントで使えるかの確認方法
ここは注意が要ります。上記のヘルプは英語版で、2026年時点で日本のアカウントに同じ形で提供されているかは、この記事では断定しません。自社のアカウントで次の順に確認してください。
- AI Maxを有効にしたキャンペーンを開く
- 広告グループの設定画面で、地域に関する項目があるか見る
- 項目が見当たらなければ、日本語ヘルプで「AI Max」「地域」を検索して提供状況を確かめる
見当たらない場合は、広告グループを地名ごとに分け、キャンペーンの地域設定とキーワードで代用する形に戻ります。AI Maxを有効化するかどうかの前段の判断は、AI Max for 検索を有効化すべきかの判断を先に見てください。
地名キーワード・地域指定・地名の除外はどう分担するか
図1: 地名の粒度ごとの手段の振り分け
三つの手段は「何を受けるか」が違うので、地名の粒度で振り分けるのが一番早い整理です。地名キーワードは「この言葉の検索を狙う」、地域指定は「この場所に関心がある人を狙う」、地名の除外は「この言葉の検索を止める」手段です。
駅名・出口名・町名の振り分け
| 地名の粒度 | 例 | 基本の手段 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 主要駅名 | 新宿駅、新宿三丁目駅 | 地名キーワード(成果があるものだけ) | 検索数が多く、広告文の出し分けもしやすい |
| 出口名・方面名 | 東口、西口、南口 | 地名キーワード+要確認 | 区境や目的地とズレることがある |
| 町名 | 西新宿、歌舞伎町 | 地域指定(広告グループ単位)が第一候補 | 語の揺れが大きく、キーワードで網羅しにくい |
| 隣接エリアの地名 | 代々木、初台、四谷 | 商圏に合わなければ地名の除外 | 商圏外への配信を止める |
出口名は検索ボリュームが小さく、キーワードを一つ置くだけの価値があるか疑わしい場合が多いです。実務では、まず検索語句レポートに出てきたものだけを後追いで追加するほうが無駄が出ません。仕分けの考え方は駅名・エリア名を入れる・除外する・保留するに仕分ける手順にまとめています。
区境のズレと同名地名の扱い
新宿駅の南口側は、住所上は渋谷区にかかります。「新宿区内だけに出したい」と考えて地域を区単位で絞ると、南口周辺の検索者が配信対象から外れる可能性があります。駅名で捉えたい商圏と行政区分は一致しないため、地域は区ではなく駅周辺を基準に決めたほうが安全です。
同名地名にも気をつけてください。葛飾区には「新宿(にいじゅく)」という地名があり、読みは異なりますが文字は同じです。また「新宿線」のように路線名に新宿を含む語もあります。地名の除外に「新宿」だけを入れると、本来の商圏の検索まで止めてしまうので、除外は必ず複合語で登録します。
Whitespark の「Must-have negative keywords for small business local AdWords campaigns」では、地域ビジネスは求人・無料・DIYなど地名以外の除外を最初から入れ、地名の除外は商圏外を止める最後の手段として使う、という考え方が示されています。日本でも同様で、地名の除外だけに頼ると正しい顧客まで落とすリスクがあります。隣の駅名の残し方・外し方は隣の駅名を除外するか残すかの判断表に詳しく書きました。
「近くの○○」と「新宿 ○○」は何で受けるべきか
現在地検索と地名検索は分けて受ける
「近くの○○」は現在地を基準に地域が判定される検索なので、駅名キーワードではなく地域設定で受けるのが基本です。一方、「新宿 ○○」は検索語自体に地名が入っているので、キーワードか地域指定の対象になります。
| 検索のタイプ | 例 | 受ける手段 |
|---|---|---|
| 地名なし | 「歯医者 予約」 | キャンペーンの地域設定+キーワード |
| 近くの検索 | 「近くの歯医者」 | 地域設定(現在地)。駅名キーワードは不要なことが多い |
| 地名あり | 「新宿 歯医者」 | 地名キーワード、または広告グループ単位の地域指定 |
Digital Authority Partners の「What Are the Best Ways To Manage Your Local PPC Campaigns?」でも、near me系の検索はGoogleが現在地で地域を判定するため、キーワード側の絞り込みは小さいと指摘されています。日本市場でも、「近くの」「近所の」の検索に駅名キーワードを重ねる意味は薄いと考えてよいと思います。
つまずきやすいのは、この二つを同じ広告グループに入れてしまうことです。広告文を「新宿駅から徒歩○分」にすると、現在地で入ってきた人には不自然になります。分けておけば、検索語句レポートも読みやすくなります。
AI Maxをオンにした後の見直し手順
検索語句を地名ごとに集計して見直す
オンにした後の見直しは、検索語句を地名ごとに集計し、キーワードごとに「残す・統合する・除外へ回す」を決める作業です。感覚で外さず、数字で決めます。
見るレポートと期間
使うのは検索語句レポートです。管理画面の「インサイトとレポート」から検索語句を開き、AI Maxで入った検索語が判別できる列を表示します。表示のされ方はアカウントによって異なるので、自社の画面で確認してください。
期間は、コンバージョンが少ない場合は最低でも4週間、可能なら8週間を目安にします。これは公開された基準ではなく、一般に短期間では地名ごとの件数が足りず判断がぶれやすい、という運用上の目安です。検索語句は次の列で集計します。
- 地名(新宿駅、西新宿、新宿三丁目など)ごとのクリック数と費用
- コンバージョン数とコンバージョン単価
- 地名なしの検索語の割合
地名の表記ゆれがあると集計が割れます。見つけ方は表記ゆれと同名地名の見つけ方を参照してください。
入れ替えの判断基準
| 状態 | 判断 |
|---|---|
| 地名キーワードがコンバージョンしており、AI Max経由の同じ地名の語より単価が良い | 残す |
| 似た地名キーワードが複数あり、成果が分散している | 統合する |
| 費用だけ出ていて、成果がなく、商圏外の地名を含む | 除外へ回す |
| 件数が少なく判断できない | 保留して期間を延ばす |
古い情報にも注意が要ります。Karooya の #ppcchat Local PPC(2020年)では、マッチタイプによっては地名部分が無視されることがあるという実務者の報告がありました。5年以上前の話なので、現在の挙動は鵜呑みにせず、検索語句レポートで地名が実際に反映されているかを自社で確かめる検証観点として使ってください。
よくある質問
Q:Google広告の除外キーワードに地名を入れると、商圏内の人まで広告が出なくなりますか?
除外キーワードは検索語句で判定されるもので、検索者のいる場所は関係しません。そのため、商圏内にいる人でも、除外した地名を検索語に含めれば広告は出なくなります。「新宿」を含む駅名などを誤って除外しないよう、複合語で登録してください。
Q:「近くの」系の検索にも駅名キーワードは必要ですか?
必要ないことが多いです。「近くの」系は現在地で地域が判定されるため、駅名キーワードより地域設定で受けるほうが合っています。地名ありの検索とは広告グループを分けるのが基本です。
Q:AI Maxの関心のある地域は日本でも使えますか?
提供状況は管理画面で確認してください。広告グループの設定に該当項目があれば使えます。見当たらない場合は、広告グループを地名ごとに分けて代用します。
Q:除外キーワードの表記ゆれは自動でカバーされますか?
自動ではカバーされない前提で運用してください。「しんじゅく」「新宿駅」「新宿エリア」のようなかな表記・略称も、別々に登録しておく必要があります。見つけ方は表記ゆれと同名地名の見つけ方で解説しています。
まとめ
AI Maxの時代にも、新宿の駅名キーワードは「成果が安定している」「専用の訴求がある」「費用を地名単位で管理したい」地名に絞って残すのが現実的です。町名は広告グループ単位の地域指定、隣接エリアは複合語での除外へ回し、近くの検索は地域設定で受けます。まずは自社の管理画面で、検索語句レポートを地名ごとに集計するところから始めてみてください。
真策堂では、こうした地名キーワードと地域設計の見直しについて、アカウントの状況に合わせたご相談を受けています。
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